平成23年(2011)本試験
問43
保証協会過去問
この問題の全体像
本問は、宅地建物取引業保証協会の資金運用、弁済業務保証金分担金の納付期限、および弁済業務保証金準備金の繰り入れに関する正誤判定問題です。
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
- 1宅地建物取引業者が保証協会に加入しようとするときは、当該保証協会に弁済業務保証金分担金を金銭又は有価証券で納付することができるが、保証協会が弁済業務保証金を供託所に供託するときは、金銭でしなければならない。
- 2保証協会は、宅地建物取引業の業務に従事し、又は、従事しようとする者に対する研修を行わなければならないが、宅地建物取引士については、法第22条の2の規定に基づき都道府県知事が指定する講習をもって代えることができる。
- 3保証協会に加入している宅地建物取引業者(甲県知事免許)は、甲県の区域内に新たに支店を設置する場合、その日までに当該保証協会に追加の弁済業務保証金分担金を納付しないときは、社員の地位を失う。
- 4保証協会は、弁済業務保証金から生ずる利息又は配当金、及び、弁済業務保証金準備金を弁済業務保証金の供託に充てた後に社員から納付された還付充当金は、いずれも弁済業務保証金準備金に繰り入れなければならない。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
本問は、宅地建物取引業保証協会の資金運用、弁済業務保証金分担金の納付期限、および弁済業務保証金準備金の繰り入れに関する正誤判定問題です。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
本問は、宅地建物取引業保証協会の資金運用、弁済業務保証金分担金の納付期限、および弁済業務保証金準備金の繰り入れに関する正誤判定問題で…
03
知識背景
宅建業保証協会制度は、宅建業者が個別に供託所に保証金を供託する負担を軽減し、消費者保護を図るための制度です。業者は協会に弁済業務保証…
04
覚え方
準備金は「利(り)子(こ)」と「充(じゅう)当(とう)金」で準備。支店増えたら「2週間」で追加。
05
試験のコツ
納付期限の数字(2週間、1週間など)のひっかけ
・供託方法(金銭のみか有価証券か)の正誤
・研修義務の主体(協会か知事か)の混同
06
実務での見え方
不動産会社が新しい支店を開設した際、事務処理の手間を省くために当日中に手続きを完了させようとするが、法規上は2週間以内の余裕があるこ…
07
よくある間違い
{"mistake":"支店設置時の追加納付期限を「その日までに」と即答する。","why_wrong":"行政手続き一般の即時性の…
02深度分析
要約
本問は、宅地建物取引業保証協会の資金運用、弁済業務保証金分担金の納付期限、および弁済業務保証金準備金の繰り入れに関する正誤判定問題です。
法的根拠
宅地建物取引業法第64条の9(供託)宅地建物取引業法第64条の10(弁済業務保証金分担金の追加納付等)宅地建物取引業法第64条の11(弁済業務保証金準備金)宅地建物取引業法第64条の13(研修)
論理の流れ
選択肢1は、供託が金銭のみか否かを検証。法64条の9により有価証券も可能なので誤り。選択肢2は、研修の代用可否を検証。協会は研修を行う義務があり、知事の講習が代わるわけではないので誤り。選択肢3は、新規支店の納付期限を検証。法64条の10により期限は2週間以内であり、当日ではないため誤り。選択肢4は、準備金の繰り入れ源を検証。法64条の11により利息と還付充当金を繰り入れる規定と合致し正解。
重要な区別
弁済業務保証金分担金の追加納付期限は「2週間以内」であること、および弁済業務保証金準備金への繰り入れ財源を正確に区別すること。
各選択肢のポイント
- 保証協会が供託する際も金銭だけでなく有価証券での供託が可能である(法64条の9)。
- 保証協会は自ら研修を行う義務があり、知事指定講習をもって代えることはできない(法64条の13)。
- 新たに支店を設置した場合の追加納付期限は、その日から2週間以内であり、当日ではない(法64条の10)。
- 利息等と還付充当金は、いずれも弁済業務保証金準備金に繰り入れなければならない(法64条の11)。
03知識背景
テーマ概要
宅建業保証協会制度は、宅建業者が個別に供託所に保証金を供託する負担を軽減し、消費者保護を図るための制度です。業者は協会に弁済業務保証金分担金を納付して社員となり、協会が一括して供託を行います。
歴史的背景
従来の個別供託制度の負担を解消し、迅速な被害回復を目的として設立されました。平成年代の改正を経て、現在の制度に至っています。
関連法令
宅地建物取引業法第64条の8(加入)宅地建物取引業法第64条の12(還付充当金の納付)民法第494条(供託)
体系的位置づけ
宅建業法の「免許」「宅建士」に続く「業務」の章の中で、業者の財産的信用と消費者保護に関する重要な位置を占めます。
前提知識
弁済業務保証金分担金と弁済業務保証金の違い、還付充当金の仕組み、および供託所への供託と協会への納付の関係を理解している必要があります。
04記憶テクニック
語呂合わせ
準備金は「利(り)子(こ)」と「充(じゅう)当(とう)金」で準備。支店増えたら「2週間」で追加。
ビジュアル描写
業者から協会へ「分担金」が流れ、協会から供託所へ「保証金」が積み上がるイメージ。還付が起きると、協会の「準備金」が穴埋めし、業者から「充当金」が徴収される。
重要公式
新規支店設置 → 2週間以内に追加納付。準備金 = 利息 + 還付充当金。
関連連想
「準備金」は、万が一のために「利息」や「還付時に集めた金」で積み立てる非常食のようなものとイメージする。
比較表
個別供託:業者自身が供託所へ直接供託。協会加入:協会へ分担金を納付し、協会が一括供託。
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題
重要度
A:最重要。頻出かつ紛らわしい数字や手続きが多いため。
出題パターン
- 納付期限の数字(2週間、1週間など)のひっかけ
- 供託方法(金銭のみか有価証券か)の正誤
- 研修義務の主体(協会か知事か)の混同
解法・消去法
「その日までに」「直ちに」という即時性を強調する選択肢は、多くの場合「2週間以内」等の猶予があるため誤りとして消去できる。
時間戦略
数字や期限(2週間以内など)に注目し、即座に判断できるようにしておくと短時間で解答可能。
06実務応用
実務シナリオ
不動産会社が新しい支店を開設した際、事務処理の手間を省くために当日中に手続きを完了させようとするが、法規上は2週間以内の余裕があることを知っていれば、無理な事務作業を避けられる。
実務への影響
この制度により、業者は多額の資金を長期間供託所に寝かせることなく、業務資金として有効活用しやすくなり、業界の健全化に寄与している。
ケーススタディ
ある業者が破綻し、消費者が損害を被った場合、保証協会が供託金から還付を行う。その後、破綻した業者に代わって他の社員が還付充当金を納付することで、協会の財源が維持される。
業界関連性
大手不動産業者はほぼ全てが保証協会に加入しており、実務上の資金管理において不可欠な制度である。
ニュース連動
不動産詐欺被害などのニュースがあった際、被害者が保証協会への請求を行うかどうかが、救済の可否を分ける鍵となる。
07よくある間違い
支店設置時の追加納付期限を「その日までに」と即答する。
なぜ間違えるか:行政手続き一般の即時性のイメージや、免許申請の厳格さと混同しているため。
正しい理解:「追加(ついか)」の「つ」を「2(ツ)週間」と結びつけて覚える。
保証協会の供託は金銭のみだと考える。
なぜ間違えるか:供託というと現金をイメージしがちで、有価証券(国債など)による供託を忘れている。
正しい理解:「金(かね)」か「有価(ゆうか)」か、両方OKとセットで覚える。
還付充当金を準備金に繰り入れないと誤解する。
なぜ間違えるか:還付充当金はあくまで協会が立て替えた金を回収するものだと考え、準備金とは無関係だと思い込む。
正しい理解:還付があったら、まず準備金を補填するイメージを持つ。
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