平成24年(2012)本試験
問30
重要事項説明書(35条書面)過去問
この問題の全体像
35条書面における建物の設備状況、住宅性能評価、石綿使用、耐震診断に関する説明範囲の正誤を問う問題。特に「記録の有無」と「内容の説明」の区別、および未整備設備の説明義務が論点。
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
- 1建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が住宅の品質確保の促進等に関する法律に規定する住宅性能評価を受けた新築住宅であるときは、その旨について説明しなければならないが、当該評価の内容までを説明する必要はない。
- 2建物の売買の媒介を行う場合、飲用水、電気及びガスの供給並びに排水のための施設が整備されていないときは、その整備の見通し及びその整備についての特別の負担に関する事項を説明しなければならない。
- 3建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その旨について説明しなければならないが、当該記録の内容までを説明する必要はない。
- 4昭和55年に竣工した建物の売買の媒介を行う場合、当該建物について耐震診断を実施した上で、その内容を説明しなければならない。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
35条書面における建物の設備状況、住宅性能評価、石綿使用、耐震診断に関する説明範囲の正誤を問う問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
35条書面における建物の設備状況、住宅性能評価、石綿使用、耐震診断に関する説明範囲の正誤を問う問題。特に「記録の有無」と「内容の説明…
03
知識背景
35条書面(重要事項の説明)は、契約成立前に宅建業者が買主等に対し、取引对象となる物件や権利関係等の重要な事項を書面を交付して説明す…
04
覚え方
「性能もアスベも中身まで、設備ないなら見通しと負担」。住宅性能評価と石綿は内容まで説明、設備未整備は見通しと負担を説明と覚える。
05
試験のコツ
「内容」まで説明するか否かの正誤判定
・「実施義務」があるか否かのひっかけ(耐震診断等)
・売買と貸借で説明範囲が異なる事項
06
実務での見え方
中古マンションの売買仲介において、事前に石綿調査報告書が存在する場合、その「調査結果の内容(使用箇所等)」を具体的に説明しないと後々…
07
よくある間違い
{"mistake":"石綿や住宅性能評価について「有無」だけでいいと勘違いする。","why_wrong":"一般的な書面の有無確…
02深度分析
要約
35条書面における建物の設備状況、住宅性能評価、石綿使用、耐震診断に関する説明範囲の正誤を問う問題。特に「記録の有無」と「内容の説明」の区別、および未整備設備の説明義務が論点。
法的根拠
宅地建物取引業法第35条第1項宅地建物取引業法施行規則第16条の4の2(住宅性能評価)宅地建物取引業法施行規則第16条の4の3(石綿使用)
論理の流れ
選択肢1は、住宅性能評価について内容の説明が不要としているが、規則により評価の内容も説明が必要なので誤り。選択肢2は、設備が整備されていない場合の整備見通しと特別負担の説明を求めており、法35条1項13号に合致するため正しい。選択肢3は、石綿調査結果の内容まで説明不要としているが、内容の説明が必要なので誤り。選択肢4は、耐震診断の実施義務はないため誤り。よって正解は2。
重要な区別
書面等の「記録があること」の説明と、その「記録の内容」の説明のどちらまでが必要かを区別すること。
各選択肢のポイント
- 住宅性能評価を受けた新築住宅では、評価の内容についても説明しなければならない。
- 設備が整備されていない場合、その整備の見通し及び特別の負担に関する事項の説明は必須である。
- 石綿使用の有無の調査結果が記録されているときは、その記録の内容についても説明が必要である。
- 耐震診断を実施することは義務付けられておらず、実施した場合にその結果を説明すればよい。
03知識背景
テーマ概要
35条書面(重要事項の説明)は、契約成立前に宅建業者が買主等に対し、取引对象となる物件や権利関係等の重要な事項を書面を交付して説明する制度。物件の状況や安全性に関する事項は消費者保護の観点から重視されている。
歴史的背景
石綿(アスベスト)に関する説明義務は、健康被害が社会問題化したことを受け、2007年の施行規則改正で追加された。住宅性能評価は2000年の品確法施行に伴い説明対象となった。
関連法令
宅地建物取引業法第35条宅地建物取引業法施行規則第16条住宅の品質確保の促進等に関する法律建築基準法
体系的位置づけ
宅建業法の「重要事項の説明」分野における核心的な出題範囲であり、毎年のように出題される最重要項目の一つ。
前提知識
35条(契約前)と37条(契約時)の書面交付タイミングの違い、および建物の物件状況に関する具体的な説明項目(設備、瑕疵、耐震等)の知識が必要。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「性能もアスベも中身まで、設備ないなら見通しと負担」。住宅性能評価と石綿は内容まで説明、設備未整備は見通しと負担を説明と覚える。
ビジュアル描写
物件の安全性や快適性に関わる項目(評価、アスベスト)は「中身(結果)」を開示。インフラ(水道等)がない場合は「未来(見通し)」と「金銭(負担)」をイメージ。
重要公式
未整備設備 = 見通し + 特別負担
関連連想
アスベストは肺に入る(中身=内容)が大事だから内容まで説明。水道がないと困るから、いつできるか(見通し)と幾らかかるか(負担)を説明。
比較表
住宅性能評価:内容説明必要。石綿調査:内容説明必要。設備未整備:見通し・負担説明必要。耐震診断:実施義務なし(あれば結果説明)。
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題
重要度
A:最重要、頻出論点かつ実務でも必須のため
出題パターン
- 「内容」まで説明するか否かの正誤判定
- 「実施義務」があるか否かのひっかけ(耐震診断等)
- 売買と貸借で説明範囲が異なる事項
解法・消去法
「~しなければならない」という強制表現の中に、実務上コストがかかる「診断の実施」などが含まれている場合は、原則として誤りと判断できる。
時間戦略
35条は項目が多いため、未整備設備や健康被害関連(アスベスト等)は「内容説明」が原則と即断し、他肢を検証する。
06実務応用
実務シナリオ
中古マンションの売買仲介において、事前に石綿調査報告書が存在する場合、その「調査結果の内容(使用箇所等)」を具体的に説明しないと後々トラブルになる。
実務への影響
設備の整備見通しや負担を説明しないと、引渡し後に多額の工事費を請求され、買主から損害賠償請求されるリスクがある。
ケーススタディ
水道が未引き込みの土地を売買した際、業者が「近くまで来ている」のみ説明し、負担額を伝えなかったため、買主が高額な負担を強いられ業者が責任を問われた事例。
業界関連性
事故防止と顧客満足度向上のために、35条説明は不動産取引における最も重要なプロセスの一つ。
ニュース連動
老朽化した団地や学校でのアスベスト除去工事のニュースが後を絶たず、説明義務の重要性が増している。
07よくある間違い
石綿や住宅性能評価について「有無」だけでいいと勘違いする。
なぜ間違えるか:一般的な書面の有無確認と混同しており、健康や性能に関わる詳細な開示が必要だと認識していないため。
正しい理解:「アスベスト=健康被害」「性能評価=品質」という重要事項は、結果(中身)までオープンにするのがルールと覚える。
昭和56年以前の建物で必ず耐震診断が必要だと思い込む。
なぜ間違えるか:耐震改修促進法の知識と混同しており、宅建業法上の説明義務と診断実施義務を区別できていないため。
正しい理解:「実施義務」があるかは「費用が発生する行為」かどうかで判断。診断は高額なので義務化されていないことが多い。
設備未整備の説明で「見通し」は言うが「特別の負担」を忘れる。
なぜ間違えるか:整備されることへの期待に目がいき、そのための金銭的負担についての説明を忘れがちなため。
正しい理解:「見通し(When)」と「負担(How much)」はセットで覚える。
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