平成24年(2012)本試験
問43
保証協会過去問
この問題の全体像
この問題は、保証協会制度における「弁済業務保証金分担金」と「弁済業務保証金」の関係性、および債権者が有する弁済請求権の正確な範囲について理解しているかを問う問題です。
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。) に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 1保証協会は、弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは、その納付を受けた額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない。
- 2保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない。
- 3保証協会の社員との宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者は、当該社員が納付した弁済業務保証金分担金の額に相当する額の範囲内で、弁済を受ける権利を有する。
- 4保証協会の社員との宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者は、弁済を受ける権利を実行しようとする場合、弁済を受けることができる額について保証協会の認証を受けなければならない。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
この問題は、保証協会制度における「弁済業務保証金分担金」と「弁済業務保証金」の関係性、および債権者が有する弁済請求権の正確な範囲について理解しているかを問う問題です。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
この問題は、保証協会制度における「弁済業務保証金分担金」と「弁済業務保証金」の関係性、および債権者が有する弁済請求権の正確な範囲につ…
03
知識背景
保証協会制度は、宅建業者が供託所に営業保証金を供託する代わりに、保証協会に弁済業務保証金分担金を納付することで供託義務を免れる制度で…
04
覚え方
「社員は分担金、協会は供託金、債権者は供託金から取り立て」と覚える。
05
試験のコツ
還付があった場合の供託命令と通知の流れ
・弁済を受けるための認証手続きの有無
・弁済額の範囲に関する条文の正確な言い回し
06
実務での見え方
不動産会社が倒産し、購入者が支払った手付金が返還されない場合、購入者は保証協会に対して手付金の弁済を請求し、救済を受けることができま…
07
よくある間違い
{"mistake":"「分担金」と「保証金」を混同して、債権者の権利範囲を「分担金の額」と答えてしまう。","why_wrong"…
02深度分析
要約
この問題は、保証協会制度における「弁済業務保証金分担金」と「弁済業務保証金」の関係性、および債権者が有する弁済請求権の正確な範囲について理解しているかを問う問題です。
法的根拠
宅地建物取引業法第64条の8第1項宅地建物取引業法第64条の8第2項宅地建物取引業法第64条の8第3項宅地建物取引業法第64条の9
論理の流れ
まず、選択肢1と2は保証協会の供託義務に関する記述であり、法64条の8第1項および第2項の規定通り正しいと判断します。次に選択肢4は、弁済を受けるための手続きとして認証が必要であることを定めた同条第3項の規定通り正しいです。最後に選択肢3ですが、債権者が弁済を受けられる権利の範囲は、法条文上「供託された弁済業務保証金の額の範囲内」と規定されており、「社員が納付した分担金の額」とする記述は不正確であるため誤りと判断します。
重要な区別
債権者が弁済請求権を行使する対象は「弁済業務保証金(供託金)」であり、社員が協会に納付する内部金銭である「分担金」ではないという法的用語の厳密な区別です。
各選択肢のポイント
- 法64条の8第1項の通り、分担金の納付を受けたときは、その額に相当する額の保証金を供託しなければならない。
- 法64条の8第2項の通り、還付があったときは、その還付額に相当する額の保証金を供託しなければならない。
- 債権者が弁済を受けられるのは「供託された弁済業務保証金の額」の範囲内であり、条文は「分担金の額」とは規定していない。
- 法64条の8第3項の通り、弁済を受ける権利を実行しようとする場合、保証協会の認証を受けなければならない。
03知識背景
テーマ概要
保証協会制度は、宅建業者が供託所に営業保証金を供託する代わりに、保証協会に弁済業務保証金分担金を納付することで供託義務を免れる制度です。協会が一括して保証金を供託し、業者の不履行時に債権者に弁済を行います。
歴史的背景
個別供託制度では業者に多額の資金負担が生じるため、業者の負担軽減と消費者保護の両立を図るために、業界団体による自主的な救済制度として法制化されました。
関連法令
宅地建物取引業法第64条の7(社員)宅地建物取引業法第64条の8(弁済業務保証金)宅地建物取引業法第64条の10(還付請求権等)
体系的位置づけ
宅建業法の「供託等」の章における核心的な選択肢の一つであり、消費者保護制度の仕組みを理解する上で極めて重要な位置を占めています。
前提知識
この問題を解くには、弁済業務保証金分担金(主たる事務所60万円、その他の事務所30万円)の金額設定と、それが供託所に供託される弁済業務保証金の原資となる仕組みを理解している必要があります。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「社員は分担金、協会は供託金、債権者は供託金から取り立て」と覚える。
ビジュアル描写
保証協会という大きなプールに社員が水(分担金)を注ぎ、その表面が凍って氷(供託金)になるイメージ。債権者は氷を削って取り出す。
重要公式
還付発生 → 協会が供託 → 社員に通知 → 社員が納付(不足分)。
関連連想
「分担」という言葉は社員間の「割り勘」を連想させ、債権者は関係ない「保証金」を狙うと連想する。
比較表
個別供託:業者が直接供託所へ金銭供託。協会制度:業者は協会へ分担金納付、協会が供託所へ保証金供託。
05試験テクニック
出題頻度
2〜3年に1回の頻度で出題される重要論点です。
重要度
A(最重要)。制度の仕組みと用語の正確な使い分けが問われるため、確実に正解したい分野です。
出題パターン
- 還付があった場合の供託命令と通知の流れ
- 弁済を受けるための認証手続きの有無
- 弁済額の範囲に関する条文の正確な言い回し
解法・消去法
選択肢中に「分担金」と「保証金」が混在している場合、債権者の権利に関わる記述で「分担金」となっていれば怪しいと疑う。
時間戦略
用語の正確性(分担金か保証金か)をチェックするだけで判断できるため、短時間で解答し他の問題に時間を回す。
06実務応用
実務シナリオ
不動産会社が倒産し、購入者が支払った手付金が返還されない場合、購入者は保証協会に対して手付金の弁済を請求し、救済を受けることができます。
実務への影響
この制度により、業者の資力不足による消費者の被害を迅速かつ確実に防ぐセーフティネットとして機能しています。
ケーススタディ
悪質業者が多額の債務を残して夜逃げした際、被害者が保証協会に認証申請を行い、供託金から弁済を受けて実質的な救済を受けた事例が多数あります。
業界関連性
宅建業者にとっては資金繰りの助けとなり、不動産取引を行う消費者にとっては安心材料となり、業界の信頼性を支えています。
ニュース連動
大手不動産会社の経営破綻のニュースなどで、保証協会による弁済業務が注目されることがあります。
07よくある間違い
「分担金」と「保証金」を混同して、債権者の権利範囲を「分担金の額」と答えてしまう。
なぜ間違えるか:金額としては同じ(例:60万円)であるため、用語の違いを軽視してしまうため。
正しい理解:問題文に「分担金」と書いてあったら「社員側の話」、「保証金」と書いてあったら「債権者側の話」と意識して読み替える。
還付があった際に、協会ではなく社員が直ちに供託すべきと誤解する。
なぜ間違えるか:供託義務者は保証協会であるという基本を忘れているため。
正しい理解:「供託所」との窓口は常に「保証協会」であるとイメージする。
弁済を受ける際の認証手続きを忘れる、または不要と判断する。
なぜ間違えるか:手続きの煩雑さを嫌って、実務的な感覚で「不要」と判断してしまう。
正しい理解:「権利の実行=認証」とセットで覚える。
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