平成27年(2015)本試験
問48
税・その他統計過去問
この問題の全体像
不動産市場の主要な統計データ(不動産価格指数、建築着工統計、法人企業統計、土地白書)に関する最新の動向を正確に理解しているかを問う問題。特に直近の数値やトレンドの増減を把握することが求められる。
次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1国土交通省が毎月公表する不動産価格指数(住宅)のうち、全国のマンション指数は、リーマンショックが発生した年である2008年以降2025年2月まで一貫して下落基調となっている。
- 2建築着工統計(令和7年1月公表)によれば、令和6年の新設住宅着工戸数は、前年の新設住宅着工戸数を下回っていた。
- 3令和5年度法人企業統計調査(令和6年9月公表)によれば、令和5年度の不動産業の売上高経常利益率は、前年度と比べて低下し、全産業の売上高経常利益率よりも低くなった。
- 4令和7年版土地白書(令和7年5月公表)によれば、土地取引について、売買による所有権の移転登記の件数でその動向を見ると、令和6年の全国の土地取引件数は3年連続の減少となった。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
不動産市場の主要な統計データ(不動産価格指数、建築着工統計、法人企業統計、土地白書)に関する最新の動向を正確に理解しているかを問う問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
不動産市場の主要な統計データ(不動産価格指数、建築着工統計、法人企業統計、土地白書)に関する最新の動向を正確に理解しているかを問う問…
03
知識背景
この問題は、国土交通省や総務省が公表する不動産関連の主要経済指標について問うている。市場の需給バランスを把握するための価格、供給量(…
04
覚え方
「着工減、価格高、利益高、土地混」:直近のトレンドは着工戸数が減り、価格と利益は高く、土地取引は混迷(横ばい)と覚える。
05
試験のコツ
特定の年の数値や増減の正誤判定
・統計調査の名称と調査主体の組み合わせ
・複数の統計データのトレンド比較
06
実務での見え方
顧客に不動産投資を提案する際、建築着工統計の減少を根拠に「今後の新規供給が減り、既存物件の希少性が高まる」と説明する際に活用。
07
よくある間違い
{"mistake":"価格が上昇しているなら着工戸数も増えていると直感的に思い込む。","why_wrong":"需要と供給は別要…
02深度分析
要約
不動産市場の主要な統計データ(不動産価格指数、建築着工統計、法人企業統計、土地白書)に関する最新の動向を正確に理解しているかを問う問題。特に直近の数値やトレンドの増減を把握することが求められる。
法的根拠
統計法(第2条、基幹統計)建築基準法(第15条、建築主事等)土地基本法(第1条、土地についての基本理念)不動産の鑑定評価に関する法律(関連する価格指標)
論理の流れ
選択肢1のマンション指数は、近年の資産価格高騰により上昇傾向にあるため誤り。選択肢2の建築着工統計は、令和6年に資材高騰や金融緩和修正の影響で前年を下回ったため正しい。選択肢3の不動産業利益率は、全産業平均と比較して高い水準にあるため誤り。選択肢4の土地取引件数は、必ずしも3年連続減少ではないため誤り。以上より正解は2となる。
重要な区別
統計データの「時系列トレンド」を正確に記憶しているか、特に「価格(上昇)」と「着工戸数(減少)」の乖離を見抜けるかが重要。
各選択肢のポイント
- マンション価格指数は近年、特に都市部を中心に上昇トレンドにあり、一貫して下落しているわけではないため誤り。
- 資材高騰や金利上昇懸念等の影響により、令和6年の新設住宅着工戸数は前年を下回ったため正しい。
- 不動産業の売上高経常利益率は全産業平均と比べて高い水準にあり、低下して最下位になったわけではないため誤り。
- 土地取引件数は景気動向に左右されるが、直近のデータでは3年連続の減少という事実は確認されないため誤り。
03知識背景
テーマ概要
この問題は、国土交通省や総務省が公表する不動産関連の主要経済指標について問うている。市場の需給バランスを把握するための価格、供給量(着工)、収益性(利益率)、取引量(登記件数)の4つの視点から理解が求められる。
歴史的背景
リーマンショック後の低迷期を経て、アベノミクス以降は不動産価格が上昇。近年ではコロナ禍からの回復、円安・資材高騰、そして金融政策の転換が市場に複雑な影響を与えている。
関連法令
統計法建築基準法国土利用計画法不動産登記法
体系的位置づけ
宅建試験の「権利関係」や「法令上の制限」と並ぶ重要な一般知識分野であり、特に統計データは毎年のように出題される頻出分野である。
前提知識
GDPや景気動向との関連性、および「不動産価格指数」「建築着工統計」「法人企業統計」「土地白書」それぞれの調査主体と概要を理解している必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「着工減、価格高、利益高、土地混」:直近のトレンドは着工戸数が減り、価格と利益は高く、土地取引は混迷(横ばい)と覚える。
ビジュアル描写
グラフをイメージする。価格の線は右肩上がりで急カーブ。着工戸数の線は山を描いて右下がり。利益率の棒グラフは他産業より高い位置。
重要公式
需給ギャップ=需要(人口・世帯)-供給(着工戸数)。供給過剰なら価格下落、供給不足なら価格上昇。
関連連想
「建築着工」は「金利」に敏感。金利が上がり始めると「着工」は「減る」と連想する。
比較表
価格指数(ヒストリカルコスト)vs 着工統計(フロー)。価格は資産価値の上昇を示し、着工は現在の供給意欲を示す。トレンドが逆転する場合がある。
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題
重要度
A:最重要、統計問題は得点源であり、最新データのチェックが必須であるため。
出題パターン
- 特定の年の数値や増減の正誤判定
- 統計調査の名称と調査主体の組み合わせ
- 複数の統計データのトレンド比較
解法・消去法
絶対的な表現(一貫して、すべて)が含まれている選択肢は、長期間にわたる統計では誤りである可能性が高いため注意する。
時間戦略
直近のニュースや一般的な市場感覚(価格は高い、家は建ちにくい)と照らし合わせ、常識と著しく矛盾する選択肢から消去すると時間短縮になる。
06実務応用
実務シナリオ
顧客に不動産投資を提案する際、建築着工統計の減少を根拠に「今後の新規供給が減り、既存物件の希少性が高まる」と説明する際に活用。
実務への影響
建築着工統計の悪化は、建設業界の縮小や住宅価格の高騰(供給不足による)を意味し、ビジネス環境に直接的に影響する。
ケーススタディ
資材高騰により分譲マンションの建設計画が見送られ、着工戸数が減少した結果、完成物件の販売価格が前年比10%上昇した事例。
業界関連性
市場動向を把握する上で最も基本的な指標であり、不動産業界全体の戦略立案に不可欠。
ニュース連動
日銀の金融政策変更や物価高騰に関するニュースと連動して、これらの統計数値も変動するため常に最新情報をチェックが必要。
07よくある間違い
価格が上昇しているなら着工戸数も増えていると直感的に思い込む。
なぜ間違えるか:需要と供給は別要因(金利、コスト)に左右されるため、価格高騰時でもコスト高で着工が減ることがある。
正しい理解:「金利が上がると着工は減る」という経済原則を意識し、価格と着工を別々に考える癖をつける。
不動産業の利益率が全産業平均より低いと勘違いする。
なぜ間違えるか:不動産は高額商品のため売上高に対する利益率が低いと誤解しがちだが、実際は高利益率の業種である。
正しい理解:「不動産=高利益」というキーワードで覚え、全産業平均より低い選択肢は即座に消去する。
統計データの調査主体(省庁)を混同する。
なぜ間違えるか:似たような統計が複数の省庁から出ており、どれがどの省庁か整理できていない。
正しい理解:「建物=国交」「企業=財務」「土地=国交」のように、管轄するイメージでセットで暗記する。
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