令和2年(2020)本試験
問134
報酬過去問
この問題の全体像
宅建業法における報酬の上限規制に関する問題。報酬上限は強行規定であり依頼者の承諾があっても超過不可。不当高額報酬の要求自体が違反。広告料の合算は依頼者の依頼に基づく場合に限られる点が重要。
宅地建物取引業者(消費税課税事業者)が受けることができる報酬に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 1宅地建物取引業者が受けることのできる報酬は、依頼者が承諾していたとしても、国土交通大臣の定める報酬額の上限を超えてはならない。
- 2宅地建物取引業者は、その業務に関し、相手方に不当に高額の報酬を要求した場合、たとえ受領していなくても宅地建物取引業法違反となる。
- 3宅地建物取引業者が、長期の空家等に該当しない事業用建物の貸借(権利金の授受はないものとする。)の媒介に関する報酬について、依頼者の双方から受けることのできる報酬の合計額は、借賃(消費税等相当額を含まない。)1か月分の1.1倍に相当する金額が上限であり、貸主と借主の負担の割合については特段の規制はない。
- 4宅地建物取引業者は、依頼者の依頼によらない広告の料金に相当する額を報酬額に合算する場合は、代理又は媒介に係る報酬の限度額を超える額の報酬を依頼者から受けることができる。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
宅建業法における報酬の上限規制に関する問題。
この問題は、5 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
宅建業法における報酬の上限規制に関する問題。報酬上限は強行規定であり依頼者の承諾があっても超過不可。不当高額報酬の要求自体が違反。広…
03
知識背景
宅建業法における報酬規制は、消費者保護と取引の適正化を目的とする。報酬上限は売買・交換・貸借それぞれに設定され、課税事業者は消費税込…
04
覚え方
「依頼あっての広告料、限度額内で合算可」依頼なき広告は自己負担、限度超過は絶対不可。
05
試験のコツ
報酬上限の強行規定性を問う問題
・広告料合算の可否を問う問題
・貸借報酬の計算を問う問題
06
実務での見え方
不動産仲介実務において、媒介契約締結時に報酬額を明示し、広告の要否を確認する。依頼者から広告依頼があった場合のみ、その費用を報酬に合…
02深度分析
要約
宅建業法における報酬の上限規制に関する問題。報酬上限は強行規定であり依頼者の承諾があっても超過不可。不当高額報酬の要求自体が違反。広告料の合算は依頼者の依頼に基づく場合に限られる点が重要。
法的根拠
宅建業法第46条の2宅建業法第47条第2号宅建業法施行規則第16条の12宅建業法施行規則第16条の13
論理の流れ
報酬上限規定は強行規定であるため依頼者承諾があっても適用される。不当高額報酬要求は未受領でも違反となる。事業用建物貸借の媒介報酬は借賃1か月分の1.1倍が上限。広告料合算は依頼者の依頼に基づく場合のみ認められ、限度額を超える報酬受領は不可。選択肢4は依頼によらない広告料を合算できると誤認している。
重要な区別
「依頼者の依頼に基づく広告」と「依頼によらない広告」の区別が核心。前者のみ報酬に合算可能で、合算後も限度額内に収める必要がある。
各選択肢のポイント
- 報酬上限は強行規定であり、依頼者の承諾があっても国土交通大臣の定める上限を超えることはできない。
- 宅建業法47条2号により、不当に高額な報酬を要求した時点で違反となり、実際に受領していなくてもよい。
- 事業用建物貸借の媒介報酬は借賃1か月分の1.1倍が上限で、貸主・借主の負担割合について法的規制はない。
- 依頼者の依頼によらない広告料は報酬に合算できず、また限度額を超える報酬を受けることはできない。
03知識背景
テーマ概要
宅建業法における報酬規制は、消費者保護と取引の適正化を目的とする。報酬上限は売買・交換・貸借それぞれに設定され、課税事業者は消費税込みの額が上限となる。広告料の合算には依頼者の依頼という要件が必要。
歴史的背景
報酬規制は昭和45年の宅建業法改正で導入された。その後、消費税導入に伴い課税事業者と免税事業者で上限額が異なる現行制度となった。平成27年改正で長期空家等の報酬特例が創設された。
関連法令
宅建業法第46条の2宅建業法第47条第2号宅建業法施行規則第16条の12宅建業法施行規則第16条の13
体系的位置づけ
宅建業法の「業務」章における報酬規制は、宅建士試験で毎年出題される重要論点。特に媒介報酬の計算と上限規制の適用は実務でも頻出。
前提知識
消費税課税事業者と免税事業者の違い、売買と貸借の報酬上限の違い、権利金の有無による報酬計算の違い、長期空家等の特例制度を理解しておく必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「依頼あっての広告料、限度額内で合算可」依頼なき広告は自己負担、限度超過は絶対不可。
ビジュアル描写
報酬計算の流れ:基本報酬+依頼広告料(限度内)=受領可能額。依頼なき広告は別途、業者負担のイメージ。
重要公式
売買:200万以下5%、200-400万4%+、400万超3%/貸借:借賃1か月分×1.1(課税事業者)
関連連想
「広告は依頼者からのオーダーが絶対条件」と覚える。自分勝手な広告は自己責任。
比較表
依頼に基づく広告:報酬に合算可(限度額内)/依頼によらない広告:報酬に合算不可/報酬限度超過:依頼者承諾があっても不可
05試験テクニック
出題頻度
報酬関連は毎年1-2問出題される頻出論点。計算問題と規制内容の正誤判定が交互に出る傾向。
重要度
A:最重要。実務で直接適用される規定であり、試験でも確実に得点すべき分野。
出題パターン
- 報酬上限の強行規定性を問う問題
- 広告料合算の可否を問う問題
- 貸借報酬の計算を問う問題
解法・消去法
「限度額を超えてもよい」「依頼がなくてもよい」という表現があれば誤りと判断。強行規定の性質を想起する。
時間戦略
報酬問題は条文知識が明確なため、即断即決で処理。計算問題は30秒以内、正誤判定は20秒以内を目標。
06実務応用
実務シナリオ
不動産仲介実務において、媒介契約締結時に報酬額を明示し、広告の要否を確認する。依頼者から広告依頼があった場合のみ、その費用を報酬に合算して請求できる。
実務への影響
報酬規制違反は宅建業法第47条に基づく業務停止処分の対象となり、業者の存続に関わる重大な違反行為として位置づけられる。
ケーススタディ
A社がB氏の家を媒介する際、B氏の依頼なく新聞広告を掲載し、その費用を報酬に上乗せ請求した。これは宅建業法違反であり、B氏は超過額の返還を請求できる。
業界関連性
報酬規制は不動産業界の適正化と消費者保護の根幹をなす制度であり、すべての宅建業者が遵守すべき基本ルールである。
ニュース連動
不動産価格高騰に伴い、報酬額も増加傾向にあり、消費者からの苦情も増加。適正な報酬請求の重要性が高まっている。
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