令和3年(2021)本試験
問244
報酬過去問
この問題の全体像
宅建業法の報酬規定に関する問題で、売買・貸借の媒介・代理における報酬上限額の計算が問われている。消費税課税事業者の場合の消費税相当額の加算、代理と媒介の組み合わせ、居住用建物の特例等の知識を総合的に活用する必要がある。
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が受け取ることができる報酬額についての次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 1居住の用に供する建物(長期の空家等ではない。1か月の借賃20万円。消費税等相当額を含まない。)の貸借であって100万円の権利金の授受があるものの媒介をする場合、依頼者双方から受領する報酬の合計額は11万円を超えてはならない。
- 2宅地(代金1,000万円。消費税等相当額を含まない。)の売買について、売主から代理の依頼を受け、買主から媒介の依頼を受け、売買契約を成立させて買主から303,000円の報酬を受領する場合、売主からは489,000円を上限として報酬を受領することができる。
- 3宅地(代金300万円。消費税等相当額を含まない。)の売買の媒介について、現地調査等の費用を6万円(消費税等相当額を含まない。)要するなど、当該媒介に要する費用を勘案し、報酬額について依頼者双方に対して説明し、合意の上、媒介契約を締結した場合、依頼者双方から合計で44万円を上限として報酬を受領することができる。
- 4店舗兼住宅(長期の空家等ではない。1か月の借賃20万円。消費税等相当額を含まない。)の貸借の媒介をする場合、依頼者の一方から受領する報酬は11万円を超えてはならない。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
宅建業法の報酬規定に関する問題で、売買・貸借の媒介・代理における報酬上限額の計算が問われている。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
宅建業法の報酬規定に関する問題で、売買・貸借の媒介・代理における報酬上限額の計算が問われている。消費税課税事業者の場合の消費税相当額…
03
知識背景
宅建業法における報酬規定は、宅建業者が依頼者から受領できる報酬の上限を定めた重要制度。売買と貸借、媒介と代理で計算方法が異なり、居住…
04
覚え方
「5・4・3で区切って、200・400万で計算」「代理は倍、居住は1ヶ月」「消費税は課税事業者だけ乗せる」
05
試験のコツ
売買代金から報酬額を計算させる問題
・代理と媒介の組み合わせ問題
・居住用建物の特例を問う問題
・消費税の加算有無を問う問題
06
実務での見え方
実際の不動産取引で、媒介契約を締結する際に報酬額を説明する場面で活用。例えば、売買代金3000万円の物件の媒介を依頼された際、法定上…
07
よくある間違い
{"mistake":"代理と媒介の報酬上限を混同し、代理でも媒介と同じ計算をしてしまう。","why_wrong":"代理は依頼者…
02深度分析
要約
宅建業法の報酬規定に関する問題で、売買・貸借の媒介・代理における報酬上限額の計算が問われている。消費税課税事業者の場合の消費税相当額の加算、代理と媒介の組み合わせ、居住用建物の特例等の知識を総合的に活用する必要がある。
法的根拠
宅建業法第46条の2宅建業法施行規則第16条宅建業法施行規則第17条消費税法第29条
論理の流れ
まず各選択肢の取引形態(売買・貸借、媒介・代理)を確認し、対象物件の種類(居住用・非居住用)を判別する。次に報酬計算式を適用し、消費税相当額の加算有無を判断する。代理は媒介の2倍の報酬が認められる点に注意。最後に上限額との照合を行い、正誤を判定する。
重要な区別
代理と媒介の報酬上限の違い(代理は2倍)、居住用建物の貸借報酬の特例(借賃1か月分が上限)、消費税課税事業者の報酬には消費税相当額を加算できる点が重要な区別ポイント。
各選択肢のポイント
- 居住用建物の貸借媒介では権利金があっても借賃1か月分(20万円)が上限。11万円という数値自体が誤りで、実際は20万円×5%×2+権利金分で計算するが上限内。
- 代理報酬は媒介の2倍。売買代金1000万円の報酬は36万円(税抜)。代理分72万円+消費税で79.2万円。買主から30.3万円受領済みなので、売主からは79.2-30.3=48.9万円が上限となる。
- 売買代金300万円の媒介報酬は14万円(税抜)。双方からで28万円、消費税加算で30.8万円。現地調査費6.6万円(税込)を加えても37.4万円程度であり、44万円は過大。
- 店舗兼住宅は居住用建物の特例対象外。借賃20万円の5%は1万円、消費税加算で1.1万円が一方からの上限。11万円は正しい上限額ではない。
03知識背景
テーマ概要
宅建業法における報酬規定は、宅建業者が依頼者から受領できる報酬の上限を定めた重要制度。売買と貸借、媒介と代理で計算方法が異なり、居住用建物には特例がある。消費税課税事業者か否かでも取扱いが変わる。報酬計算は実務の根幹をなす知識。
歴史的背景
報酬規定は宅建業法制定時から存在し、消費者保護の観点から上限が設定されている。2014年の消費税率引上げに伴い、報酬額の計算において消費税相当額の取扱いが明確化された。居住用建物の特例は住宅政策の一環として設けられている。
関連法令
宅建業法第46条の2(報酬の受領)宅建業法施行規則第16条(報酬の額)宅建業法施行規則第17条(報酬の額の特例)国土交通省告示第7号
体系的位置づけ
宅建業法の規制規定の中核の一つで、業法科目の重要論点。毎年のように出題される定番分野であり、計算問題としても頻出。実務にも直結する知識のため、合格必須の項目。
前提知識
報酬計算の基本式(200万以下5%、200万超400万以下4%、400万超3%)、消費税の取扱い、媒介と代理の違い、居住用建物の定義、権利金の取扱い、現地調査費等の実費の取扱いを理解しておく必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「5・4・3で区切って、200・400万で計算」「代理は倍、居住は1ヶ月」「消費税は課税事業者だけ乗せる」
ビジュアル描写
売買代金を階段状にイメージ:200万円まで5%、次の200万円は4%、残りは3%。代理なら2階建て、媒介なら1階建て。居住用貸借は「1ヶ月の壁」で頭打ち。
重要公式
売買報酬=200万以下×5%+200万超400万以下×4%+400万超×3%。代理は×2。消費税課税事業者は×1.1。
関連連想
「代理」は「代わりに全部やる」から報酬も倍。「居住用」は「生活の拠点」だから保護強化で上限設定。
比較表
媒介:基本報酬率(5%・4%・3%)×1倍/代理:基本報酬率×2倍/居住用貸借:借賃1ヶ月分が上限/非居住用貸借:借賃×5%×2(双方から)
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題される最重要論点。報酬計算は必ず1問は出題される。
重要度
A:最重要。実務直結の知識であり、計算問題としても頻出。確実に得点すべき分野。
出題パターン
- 売買代金から報酬額を計算させる問題
- 代理と媒介の組み合わせ問題
- 居住用建物の特例を問う問題
- 消費税の加算有無を問う問題
解法・消去法
選択肢の金額が明らかに計算結果と異なる場合は即座に×。居住用建物か否かの判定で消去できる選択肢が多い。代理の場合は媒介の2倍になることを確認。
時間戦略
報酬計算は練習すれば2分以内で解ける。計算式を暗記し、消費税・代理・居住用の有無を最初に確認してから計算開始。
06実務応用
実務シナリオ
実際の不動産取引で、媒介契約を締結する際に報酬額を説明する場面で活用。例えば、売買代金3000万円の物件の媒介を依頼された際、法定上限額を計算し、依頼者に明示する。
実務への影響
報酬上限規定は消費者保護の核心。宅建士は法定上限を超える報酬を受領すると業務停止処分等の対象となる。実務で最も注意すべき規定の一つ。
ケーススタディ
マンション売買の媒介で、売主から代理依頼、買主から媒介依頼を受けた場合。代金4000万円なら、報酬は売主から約120万円、買主から約60万円が上限。双方合計で代理上限の約120万円を超えられない。
業界関連性
不動産業界の収益構造の基礎。報酬規定を理解していないと適正な価格設定ができず、トラブルの原因となる。宅建士の必須知識。
ニュース連動
不動産価格高騰に伴い、報酬額も増加傾向。消費者からの報酬に対する関心も高まっており、透明性が求められている。
07よくある間違い
代理と媒介の報酬上限を混同し、代理でも媒介と同じ計算をしてしまう。
なぜ間違えるか:代理は依頼者の「代わり」として契約を締結するため、責任が重く、報酬は媒介の2倍が認められることを理解していない。
正しい理解:「代理=2倍」と暗記し、問題文で「代理」を見たら即座に2倍計算を意識する。
居住用建物の貸借報酬の特例を知らず、通常の計算をしてしまう。
なぜ間違えるか:居住用建物には借賃1か月分(消費税抜き)という特例的上限があることを知らない、または適用対象を誤解している。
正しい理解:「居住用=1ヶ月上限」と暗記。店舗兼住宅や事業用は特例対象外と覚える。
消費税の加算を忘れる、または非課税事業者でも加算してしまう。
なぜ間違えるか:問題文の「消費税課税事業者」の記述を見落とす、または消費税加算の条件を理解していない。
正しい理解:問題文で「消費税課税事業者」かどうかを最初に確認し、課税事業者なら×1.1を計算に組み込む。
代理と媒介の組み合わせで、双方からの報酬合計上限を誤る。
なぜ間違えるか:代理と媒介を別々に計算して単純に足し合わせてしまう。実際は代理の上限が全体の上限となる。
正しい理解:「代理が絡むなら代理の上限が全体の上限」と覚える。計算は「代理上限-既受領額」で残りを算出。
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