令和2年(2020)本試験

142

重要事項説明書(35条書面)過去問

この問題の全体像

宅建業法35条の重要事項説明義務の範囲と内容を問う問題。歴史的風致形成建造物の届出義務、建築確認済証の不存在、区分所有建物の維持修繕記録、設備の整備状況について、説明義務の有無・内容の正誤を判断する。

令和2年142
宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
  • 1地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律第12条第1項により指定された歴史的風致形成建造物である建物の売買の媒介を行う場合、その増築をするときは市町村長への届出が必要である旨を説明しなくてもよい。
  • 2既存の建物の売買の媒介を行う場合、当該建物の建築確認済証がなくなっているときは、その旨を説明すればよい。
  • 3区分所有建物の売買の媒介を行う場合、一棟の建物の維持修繕の実施状況が記録されているときは、その内容を説明しなければならない。
  • 4建物の貸借の媒介を行う場合、台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況について、説明しなければならない。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
宅建業法35条の重要事項説明義務の範囲と内容を問う問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
宅建業法35条の重要事項説明義務の範囲と内容を問う問題。歴史的風致形成建造物の届出義務、建築確認済証の不存在、区分所有建物の維持修繕…
03
知識背景
宅建業法35条は重要事項説明義務を規定し、宅建士が取引の相手方に対して物件の重要な事項を説明することを義務付けている。説明事項は物件…
04
覚え方
「歴史は語り継げ」:歴史的風致形成建造物は必ず説明。増築の届出・認定も語る必要あり。「確認書なくても現状説明でOK」:建築確認済証な…
05
試験のコツ
特定の説明事項について説明不要とする記述の正誤判定 ・売買と貸借で説明事項の違いを問う問題 ・説明すべき内容の範囲を問う問題
06
実務での見え方
実務では、重要事項説明書を作成する際、35条各号に基づき必要事項を網羅する。歴史的風致形成建造物の指定を受けている物件では、買主が増…
07
よくある間違い
{"mistake":"「説明しなくてもよい」という表現を見て、例外的に認められる場合があると誤解する。","why_wrong":…
02深度分析
要約
宅建業法35条の重要事項説明義務の範囲と内容を問う問題。歴史的風致形成建造物の届出義務、建築確認済証の不存在、区分所有建物の維持修繕記録、設備の整備状況について、説明義務の有無・内容の正誤を判断する。
法的根拠
宅建業法第35条第1項第15号宅建業法第35条第1項第13号宅建業法第35条第1項第14号宅建業法第35条第1項第11号地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律第12条第1項
論理の流れ
まず各選択肢が宅建業法35条のどの号に該当するかを特定する。選択肢1は第15号の歴史的風致形成建造物に関する説明義務。同号では「当該建物が歴史的風致形成建造物である旨及びその増築等をする場合には市町村長の認定等が必要である旨」の説明が義務付けられており、説明不要とする記述は誤り。他の選択肢は各号の規定通り正しい。
重要な区別
35条各号の説明義務の「絶対的義務」と「相対的義務」の区別。歴史的風致形成建造物の届出・認定の必要性は必須説明事項であり、説明を省略することは認められない。
各選択肢のポイント
  • 宅建業法35条1項15号により、歴史的風致形成建造物である旨及び増築時の届出・認定の必要性は必須説明事項。説明不要とするのは誤り。
  • 宅建業法35条1項13号により、建築確認済証等がなくなっている場合は「その旨」を説明すればよく、現状の説明で足りる。
  • 宅建業法35条1項14号により、区分所有建物の売買では維持修繕の実施状況の記録がある場合、その内容の説明が義務付けられている。
  • 宅建業法35条1項11号により、建物の貸借では台所、浴室、便所等の設備の整備状況の説明が義務付けられている。
03知識背景
テーマ概要
宅建業法35条は重要事項説明義務を規定し、宅建士が取引の相手方に対して物件の重要な事項を説明することを義務付けている。説明事項は物件の権利関係、法令上の制限、構造、設備等多岐にわたり、取引の公正と消費者保護を目的とする。
歴史的背景
35条は1971年改正で導入され、その後数次の改正で説明事項が拡充された。歴史的風致形成建造物に関する説明義務は2014年の法改正で追加され、文化財保護と都市景観の維持向上を図る観点から設けられた。
関連法令
宅建業法第35条宅建業法第46条地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律建築基準法第6条区分所有法
体系的位置づけ
宅建業法の「業務規制」の中核をなす規定であり、宅建士の独占業務として毎年必ず出題される最重要論点の一つ。35条書面は47条書面と並ぶ重要事項説明制度の柱。
前提知識
35条各号の説明事項を網羅的に理解する必要がある。特に売買と貸借で説明事項が異なる点、絶対的説明事項と相対的説明事項の区別、各種法令制限との関連が重要。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「歴史は語り継げ」:歴史的風致形成建造物は必ず説明。増築の届出・認定も語る必要あり。「確認書なくても現状説明でOK」:建築確認済証なしは現状説明で足りる。
ビジュアル描写
35条各号を「権利関係」「法令制限」「物件状況」「契約内容」の4グループに分類。歴史的風致は法令制限グループで、文化財保護の観点から必須説明事項。
重要公式
歴史的風致形成建造物=説明必須(存在+増築時の届出認定要否)/建築確認済証なし=現状説明でOK
関連連想
「歴史的建造物」は文化財だから大切に扱う=説明も大切。消費者に知らせることで保護につなげるという法目的を想起。
比較表
売買:全般的説明義務/貸借:設備・契約内容中心/区分所有:維持修繕記録の説明/歴史的建造物:届出認定の必要性を必ず説明
05試験テクニック
出題頻度
35条の重要事項説明は毎年必ず出題される。各号の具体的な内容から正誤判定問題が頻出。
重要度
A:最重要。宅建業法の中核的制度であり、実務でも日常的に活用される。確実に得点すべき論点。
出題パターン
  • 特定の説明事項について説明不要とする記述の正誤判定
  • 売買と貸借で説明事項の違いを問う問題
  • 説明すべき内容の範囲を問う問題
解法・消去法
「説明しなくてもよい」「説明は不要」等の表現があれば要注意。絶対的説明事項については原則として説明義務あり。
時間戦略
35条問題は各号の知識があれば1分以内で解答可能。選択肢ごとに該当号を特定し、正誤を機械的に判定する。
06実務応用
実務シナリオ
実務では、重要事項説明書を作成する際、35条各号に基づき必要事項を網羅する。歴史的風致形成建造物の指定を受けている物件では、買主が増築等を計画する場合の手続きを事前に説明し、後日のトラブルを防ぐ。
実務への影響
重要事項説明は消費者保護の中核制度。説明漏れは宅建業者に対する行政処分の対象となり、損害賠償責任を生じる可能性もある。
ケーススタディ
歴史的風致形成建造物を購入した買主が、増築のために届出をせず工事を開始し、後になって是正命令を受けた事例。重要事項説明で届出の必要性を説明していれば防げたトラブル。
業界関連性
不動産取引の透明性と信頼性を確保する制度。宅建士の専門性を示す重要な業務であり、業界の信頼性向上に寄与。
ニュース連動
歴史的建造物の保全と都市開発の調和が注目される中、歴史的風致形成建造物の制度の重要性が増している。京都、金沢等の歴史的都市で特に重要。
07よくある間違い
「説明しなくてもよい」という表現を見て、例外的に認められる場合があると誤解する。
なぜ間違えるか:35条各号の説明事項は原則として義務であり、「説明不要」とする記述は誤りと疑うべき。
建築確認済証がない場合の説明内容を「確認済証を再取得する必要がある」と誤解する。
なぜ間違えるか:既存建物で確認済証がなくなっている場合、現状の説明で足り、再取得義務があるわけではない。
売買と貸借で説明事項が同じだと誤解する。
なぜ間違えるか:35条は売買と貸借で説明すべき事項が異なる。設備の整備状況は貸借で特に重視される。
解説は、まだ続きます
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