令和2年(2020)本試験
問147
税・その他景品表示法過去問
この問題の全体像
不当景品類及び不当表示防止法に基づく不動産の表示に関する公正競争規約の規定を問う問題。取引態様の表示義務、セットバック部分の表示、インターネット広告の取扱い、予告広告の可否について理解を求めている。
宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
- 1建築基準法第42条第2項の規定により道路とみなされる部分(セットバックを要する部分)を含む土地については、セットバックを要する旨及びその面積を必ず表示しなければならない。
- 2取引態様については、「売主」、「貸主」、「代理」又は「媒介」(「仲介」)の別を表示しなければならず、これらの用語以外の「直販」、「委託」等の用語による表示は、取引態様の表示とは認められない。
- 3インターネット上に掲載している賃貸物件について、掲載した後に契約済みとなり実際には取引できなくなっていたとしても、当該物件について消費者からの問合せがなく、故意に掲載を継続していたものでなければ、不当表示に問われることはない。
- 4新築分譲住宅を販売するに当たり、販売価格が確定していないため直ちに取引することができない場合、その取引開始時期をあらかじめ告知する予告広告を行うことはできない。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
不当景品類及び不当表示防止法に基づく不動産の表示に関する公正競争規約の規定を問う問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
不当景品類及び不当表示防止法に基づく不動産の表示に関する公正競争規約の規定を問う問題。取引態様の表示義務、セットバック部分の表示、イ…
03
知識背景
不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)は、事業者による不当な景品類及び表示を規制し、消費者の自主的かつ合理的な選択を確保すること…
04
覚え方
取引態様は「売貸代媒」の4つだけ。「売主」「貸主」「代理」「媒介」で覚える。「直販」「委託」はNG。消費者に分かりやすく伝えるのが目…
05
試験のコツ
取引態様の表示に関する正誤判定
・表示義務の有無を問う問題
・インターネット広告の取扱い
06
実務での見え方
不動産業者が自社サイトで物件広告を掲載する際、取引態様を「直販」と表示した場合、公正競争規約違反となる。正しくは「売主」等の定められ…
07
よくある間違い
{"mistake":"選択肢1でセットバック部分の表示を「常に義務」と誤解する","why_wrong":"建築基準法上の制限があ…
02深度分析
要約
不当景品類及び不当表示防止法に基づく不動産の表示に関する公正競争規約の規定を問う問題。取引態様の表示義務、セットバック部分の表示、インターネット広告の取扱い、予告広告の可否について理解を求めている。
法的根拠
不当景品類及び不当表示防止法第4条不当景品類及び不当表示防止法第10条不動産の表示に関する公正競争規約第4条不動産の表示に関する公正競争規約第5条不動産の表示に関する公正競争規約第7条
論理の流れ
公正競争規約は事業者間の公正な競争を確保し、消費者が適正な選択を行えるよう、不動産表示に関する基準を定める。選択肢2は取引態様の表示について、規約で定められた用語以外を使用することを禁止しており、消費者誤認防止の観点から正しいと判断できる。他の選択肢は規約の内容と異なるため誤りとなる。
重要な区別
取引態様の表示は「売主」「貸主」「代理」「媒介(仲介)」の4種類に限定されており、これ以外の用語は認められない点が重要。消費者が取引相手方を明確に認識できるよう厳格に定められている。
各選択肢のポイント
- セットバック部分の表示は義務ではなく、当該部分を含む面積を「参考面積」として表示する場合に限り、その旨と面積の表示が義務付けられる。
- 公正競争規約により、取引態様は指定された4種類の用語で表示しなければならず、それ以外の用語は認められない。消費者保護の観点から正しい。
- 実際に取引できない物件の表示は、故意の有無にかかわらず優良誤認として不当表示に該当する可能性がある。消費者の問合せの有無は関係ない。
- 販売価格等が未定でも、取引開始時期を告知する予告広告は認められている。ただし、取引開始時期の表示や価格等が確定次第速やかに表示すること等の条件がある。
03知識背景
テーマ概要
不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)は、事業者による不当な景品類及び表示を規制し、消費者の自主的かつ合理的な選択を確保することを目的とする。不動産の表示に関する公正競争規約は、同法第10条に基づき公正取引委員会が認定した公正競争規約である。
歴史的背景
景品表示法は1962年に制定され、不動産の表示に関する公正競争規約は1972年に最初の認定を受けた。その後、不動産取引の多様化に対応するため複数回の改正が行われ、インターネット広告への対応も追加されている。
関連法令
不当景品類及び不当表示防止法不動産の表示に関する公正競争規約宅地建物取引業法第32条(広告規制)建築基準法第42条第2項
体系的位置づけ
宅建試験の「法令上の制限」科目に位置づけられ、景品表示法と公正競争規約の理解を問う。宅建業法の広告規制と関連が深く、実務上も重要な知識である。
前提知識
景品表示法の3つの不当表示(優良誤認、有利誤認、その他誤認)の基本概念、公正競争規約の法的性質(法律ではなく業界自主規制のルール)、不動産広告の一般的表示義務を理解しておく必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
取引態様は「売貸代媒」の4つだけ。「売主」「貸主」「代理」「媒介」で覚える。「直販」「委託」はNG。消費者に分かりやすく伝えるのが目的。
ビジュアル描写
取引態様を四角い枠でイメージ。4つの枠には「売主」「貸主」「代理」「媒介」しか入らない。他の言葉は枠からはみ出してNG。消費者が見てすぐ分かる表示が正解。
重要公式
取引態様=売主・貸主・代理・媒介(仲介)の4種類のみ。予告広告=取引開始時期の告知が必須。セットバック=参考面積表示時のみ義務。
関連連想
「売貸代媒」で「バイカダイバイ」と語呂合わせ。「媒介」は「仲介」と同義で併記可。インターネット広告も通常広告と同様の規制が適用される。
比較表
取引態様の表示:売主(自ら売る)/貸主(自ら貸す)/代理(業者が代理)/媒介(業者が仲介)。「直販」は不明確でNG、「委託」も具体性に欠けNG。
05試験テクニック
出題頻度
景品表示法・公正競争規約は2-3年に1回程度の出題頻度。不動産広告の表示義務と組み合わせて出題される傾向がある。
重要度
B:重要。実務で直接関わる知識であり、宅建業法の広告規制と併せて理解が必要。消費者トラブル防止の観点からも重要。
出題パターン
- 取引態様の表示に関する正誤判定
- 表示義務の有無を問う問題
- インターネット広告の取扱い
解法・消去法
「必ず」「できない」等の断定的表現に注意。実際には条件付きで認められる場合が多い。選択肢2の「認められない」は明確な禁止規定として正しい。
時間戦略
公正競争規約の問題は条文の知識があれば1分以内で解答可能。選択肢ごとに「表示義務の有無」「用語の適否」を確認し、消去法で進める。
06実務応用
実務シナリオ
不動産業者が自社サイトで物件広告を掲載する際、取引態様を「直販」と表示した場合、公正競争規約違反となる。正しくは「売主」等の定められた用語を使用しなければならない。
実務への影響
公正競争規約違反の場合、景品表示法に基づき排除命令や課徴金納付命令の対象となる可能性がある。事業者の信用失墜や消費者トラブルの原因となる。
ケーススタディ
某不動産業者が「委託販売」と表示し、消費者が仲介と誤認して契約した事例。実際は業者が売主であり、表示の不備が消費者に不利益を与えたとして問題となった。
業界関連性
不動産業界では広告表示の適正化が重要課題。業界団体による自主規制と消費者庁の監視が行われており、違反業者には厳しい措置がとられる。
ニュース連動
近年、不動産ポータルサイトでの虚偽広告や取引済物件の掲載継続が問題視されており、消費者庁が注意喚起を行っている。
07よくある間違い
選択肢1でセットバック部分の表示を「常に義務」と誤解する
なぜ間違えるか:建築基準法上の制限がある土地だからといって、必ずしも表示義務が生じるわけではないと誤解している。
正しい理解:「必ず」「常に」等の断定表現には警戒する。条件付きの義務かどうか確認する習慣をつける。
選択肢3で「故意がなければ不当表示ではない」と判断する
なぜ間違えるか:不当表示の判断において、事業者の主観的故意は不要であることを理解していない。
正しい理解:不当表示の判断基準は「客観的基準」であることを覚える。消費者の認識に着目し、事業者の主観は関係ない。
選択肢4で予告広告を「一切禁止」と誤解する
なぜ間違えるか:価格未定の物件について広告を全面的に禁止と解釈している。
正しい理解:「できない」は絶対的禁止か条件付き禁止か検討する。予告広告は条件付きで認められる典型例として覚える。
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