事後届出
事後届出は、一定面積以上の土地取引が行われた後に、その内容を都道府県知事に報告させる制度です。土地投機や無秩序な開発を防止し、適正な土地利用を誘導することを目的としています。契約締結後2週間以内に届出を行い、知事は必要に応じて土地利用に関する助言や勧告を行うことができます。許可制ではなく届出制であるため、届出をしなくても契約自体は有効です。
国土利用計画法第23条(事後届出に関する規定)国土利用計画法第24条(届出を要しない土地の取得)国土利用計画法第25条(知事の助言及び勧告)
重要度: 頻出
要点
事後届出は、一定面積以上の土地取引が行われた後に、その内容を都道府県知事に報告させる制度です。土地投機や無秩序な開発を防止し、適正な土地利用を誘導することを目的としています。契約締結後2週間以内に届出を行い、知事は必要に応じて土地利用に関する助言や勧告を行うことができます。許可制ではなく届出制であるため、届出をしなくても契約自体は有効です。
体系における位置づけ
国土利用計画法は、土地の適正な利用を図るための法律で、宅建試験の法令上の制限分野において重要な位置を占めます。主に事前届出と事後届出の2つの制度があり、土地取引の規制に関する知識が問われます。都市計画法や農地法とも関連が深く、区域区分や面積要件を整理して学習する必要があります。
ルールの詳細
・市街化区域内では2,000㎡以上の土地取引について事後届出が必要です。都市化が進んだ区域では比較的小規模な取引も対象となります。
・市街化調整区域内では5,000㎡以上の土地取引について事後届出が必要です。都市化を抑制すべき区域では閾値が高く設定されています。
・都市計画区域及び準都市計画区域内の上記以外の区域では10,000㎡以上の土地取引について事後届出が必要です。
・都市計画区域外及び準都市計画区域外では10,000㎡以上の土地取引について事後届出が必要です。
・届出期間は契約締結後2週間以内です。売買、交換、贈与、賃借権の設定など対価の授受を伴う取引が対象となります。
・届出義務者は当事者双方です。売主と買主の双方が届出を行う必要があります。
・一団の土地については、その総面積で判断します。形式的に分割しても実質的に一体的な取引であれば総面積で判定します。
例外
・国や地方公共団体による土地の取得は事後届出が不要です。公共目的のための取得は規制対象外とされています。
・事後届出を要する面積未満の土地の取得は届出不要です。各区域の閾値を下回る取引は対象外です。
・相続による土地の取得は事後届出が不要です。相続は取引には該当しません。
・共有持分の全部の取得は事後届出が必要ですが、共有持分の一部の取得は対象面積の算定方法が異なります。
比較・対照
事後届出と事前届出は時期と法的効果が異なります。事後届出は契約後の報告制度で、区域ごとに面積要件が異なります。許可制と届出制の違いも重要です。
記憶テクニック
・「市街化は2(に)、調整は5(ご)、その他は10(じゅう)」で面積要件を覚えましょう。市街化区域2,000㎡、市街化調整区域5,000㎡、その他10,000㎡です。
・「事後は2週間、事前も2週間前」で届出期間を覚えましょう。事後届出は契約後2週間以内、事前届出は契約の2週間前までです。
・「事後は報告、事前は相談」でイメージします。事後届出は契約後の報告、事前届出は契約前の相談です。
事例で確認
「事後届出」はこう問われる
市街化区域内にある2,500㎡の土地について、AがBから売買により所有権を取得した。契約締結後10日が経過しているが、まだ事後届出を行っていない。 この取引について事後届出は必要か。また、届出期間は過ぎているか。
結論:事後届出が必要であり、期間内に届出を行うことができます。
市街化区域における事後届出の面積要件は2,000㎡以上です。本件は2,500㎡であるため事後届出が必要です。届出期間は契約締結後2週間以内です。10日経過であれば期間内です。当事者双方に届出義務があります。
押さえる:市街化区域の面積要件2,000㎡と届出期間2週間を正確に覚える必要があります。
市街化調整区域内にある3,000㎡の土地について、AがBから贈与により所有権を取得した。この取引について事後届出が必要か検討する。 贈与による土地取得について事後届出は必要か。
結論:贈与による取得は事後届出の対象外です。
事後届出は対価の授受を伴う土地取引が対象です。贈与は無償譲渡であり、対価の授受を伴いません。したがって、贈与による土地取得は事後届出の対象外です。ただし、贈与であっても監視区域内では事前届出が必要な場合があります。
押さえる:事後届出は「対価の授受を伴う」取引が対象であることを理解しましょう。
試験での狙われ方
出題傾向と対策
| 出題頻度 | 出題なし |
|---|---|
| 出題実績 | 過去 37 年で 0 回・0 年分 |
| 重要度 | A:最重要。国土利用計画法の中核論点で、確実に得点すべき分野です。 |
| 解き方のコツ | 面積要件(2,000㎡、5,000㎡、10,000㎡)と届出期間(2週間)を確実に暗記してください。事後届出は「契約後」の手続であることを忘れないようにしましょう。 |
よく問われるパターン
- 区域ごとの面積要件を問う問題が頻出です。市街化区域、市街化調整区域、その他の区域の閾値を正確に覚える必要があります。
- 届出の要否を判定する問題が多く出題されます。対価の授受の有無や一団の土地の判定が問われます。
- 事後届出と事前届出の比較問題がよく出ます。届出時期や法的効果の違いを整理しておきましょう。
- 届出不要なケースを問う問題があります。国等の取得や相続など例外規定も押さえておきましょう。
理解度チェック
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Q1【2025年 問22】国土利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答: 正解:4
市街化区域内に所在する一団の土地である甲土地(面積1,200㎡)と乙土地(面積1,300㎡)について、甲土地については売買によって所有権を取得し、乙土地については対価の授受を伴わず賃借権の設定を受けた...
【解説】解説 したがって正しい記述は[4]です。
Q2【2024年 問22】国土利用計画法(以下この問において「法」という。)第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)及び法第27条の7の監視区域内の届出(以下この問において「事前届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市にあ...
解答: 正解:4
監視区域に指定された市街化区域内に所在する土地2,500㎡について売買契約を締結しようとする当事者は、契約締結の少なくとも6週間前までに事前届出を行わなければならない。
【解説】解説 事後届出が不要となるは次のとおりです。 したがって正しい記述は[4]です。
関連論点でつながる
同じ法令上の制限内の他論点
よくある質問
事後届出について
宅建の「事後届出」とは何ですか?
事後届出は、一定面積以上の土地取引が行われた後に、その内容を都道府県知事に報告させる制度です。土地投機や無秩序な開発を防止し、適正な土地利用を誘導することを目的としています。契約締結後2週間以内に届出を行い、知事は必要に応じて土地利用に関する助言や勧告を行うことができます。許可制ではなく届出制であるため、届出をしなくても契約自体は有効です。
「事後届出」は宅建でよく出ますか?
本試験の過去問データでは、この論点名で直接問われた出題は確認できませんが、関連する論点の中で問われることがあります。
市街化区域内の1,500㎡の土地について売買契約を締結した場合、事後届出が必要である。
誤り。市街化区域の事後届出の面積要件は2,000㎡以上です。1,500㎡は要件を満たさないため届出不要です。
事後届出は契約締結の2週間前までに行わなければならない。
誤り。事後届出は契約締結後2週間以内に行います。契約の2週間前までに行うのは事前届出です。
市街化調整区域内の5,000㎡の土地について売買契約を締結した場合、事後届出が必要である。
正しい。市街化調整区域の事後届出の面積要件は5,000㎡以上です。5,000㎡は要件を満たすため届出が必要です。
「事後届出」の覚え方は?
「市街化は2(に)、調整は5(ご)、その他は10(じゅう)」で面積要件を覚えましょう。市街化区域2,000㎡、市街化調整区域5,000㎡、その他10,000㎡です。
・「事後は2週間、事前も2週間前」で届出期間を覚えましょう。事後届出は契約後2週間以内、事前届出は契約の2週間前までです。
・「事後は報告、事前は相談」でイメージします。事後届出は契約後の報告、事前届出は契約前の相談です。
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