宅建コーチ
税・その他数年に 1 回過去 37 年で 4 回出題

税法総論

今回より税その他の「その他」の部分を中断し、「税法」に入っていきます。まずは「税法総論」についてお話しておきたいと思います。直接宅建本試験で問われることはありませんが、基礎の基礎、税法を勉強していく上での大前提となりますので専門用語の意味などを把握しておいてください。頑張って覚えるようなものでもないので、軽く何度か読んでいただければ頭に入ると思います。

国税通則法第1条(税法の基本原則)地方税法第1条(地方税の基本事項)国税徴収法第2条(納税義務の確定)

重要度: 重要

要点
税法総論は、税金を課す際の基本的な枠組みを定める概念体系です。税は「誰が(納税義務者)」「何を対象に(課税物件)」「いくらの基準で(課税標準)」「どの程度の割合で(税率)」負担するかという4つの要素で構成されます。また、政策的目的で税を課さない「非課税」や、負担を軽減する「軽減税率」などの特例も重要です。納税義務者と税の実質的負担者が異なる「間接税」の概念も理解が必要です。
体系における位置づけ
税法は宅建試験において「税・その他」分野の一部を構成し、主に不動産取得税、登録免許税、印紙税、固定資産税、所得税(譲渡所得)などが対象となります。税法総論はこれら各税法に共通する基本概念を整理したもので、納税義務者、課税物件、課税標準、税率などの基本用語の理解を深めるための基礎分野です。
ルールの詳細
納税義務者とは、法律上税金を納める義務を負う者をいい、個人・法人双方が該当します。国税は国に、地方税は地方公共団体に納付します。 ・課税物件とは、税金が課される対象物や行為をいい、不動産、所得、消費、相続財産などが該当します。各税法で具体的に定められます。 ・課税標準とは、税額計算の基礎となる額をいい、不動産取得税では不動産の価格、所得税では所得金額が該当します。 ・税率には、課税標準に一定の割合を乗ずる「比例税率」と、課税標準の大きさに応じて税率が変動する「累進税率」があります。 ・非課税とは、課税物件に該当しても政策的目的で税を課さないことで、生活必需品や公共施設などに適用されます。 ・軽減税率とは、通常の税率より低い税率を適用する制度で、住宅取得や中小企業支援など政策目的で設けられます。 ・直接税は納税義務者と実質的負担者が同一の税(所得税など)、間接税は両者が異なる税(消費税など)をいいます。
例外
非課税規定として、生活必需品(米、野菜など)の消費税非課税、公共施設の固定資産税非課税などがあります。 ・軽減税率の特例として、住宅用家屋の取得に対する不動産取得税の軽減、中小法人に対する法人税の軽減税率があります。 ・免税点制度として、課税標準が一定額以下の場合は税を課さない制度があり、事業税や固定資産税で見られます。
比較・対照
直接税と間接税は負担者の観点、国税と地方税は徴収主体の観点、非課税と軽減税率は軽減の程度の観点で区別します。これらの理解は実務上の税額計算に不可欠です。
記憶テクニック
「納課税率」の4文字で覚える:納税義務者、課税物件、課税標準、税率の4要素 ・「直間」で覚える:直接税は自分で直接負担、間接税は間に業者が入る ・「国地」で覚える:国税は国へ、地方税は地方公共団体へ
事例で確認

税法総論」はこう問われる

Aさんは東京で土地と建物を購入しました。売主は不動産業者B社です。この取引において、Aさんが負担すべき税金とB社が納付すべき税金を整理してください。 この取引でAさんとB社それぞれにどのような税金が関係しますか?
結論:Aさんは不動産取得税、登録免許税、印紙税を負担。消費税は実質的にAさんが負担。
Aさんは不動産取得税(地方税)、登録免許税(国税)、印紙税(国税)を負担します。不動産取得税は取得者が納税義務者です。登録免許税は登記申請者が負担します。消費税はB社が納税義務者ですが、Aさんが価格の一部として負担します。B社は消費税の納税義務者であり、譲渡所得に対する法人税も関係します。
押さえる:一つの取引でも複数の税金が関係し、納税義務者と実質的負担者が異なる場合があることを理解しましょう。
Cさんは相続により父親の自宅(固定資産税評価額2,000万円)を取得しました。この場合、不動産取得税は課されるでしょうか。 相続による不動産取得に不動産取得税は課されますか?
結論:相続による不動産取得には不動産取得税は課されません(非課税)。
不動産取得税は、不動産の取得に対して課される地方税です。しかし、相続による取得は一般的に不動産取得税の非課税対象とされています。これは、相続という自然的な財産移転に対して取得税を課すことが適当でないという政策的判断によるものです。ただし、相続税は別途課税されます。
押さえる:非課税規定は政策的判断により設けられ、相続や贈与等の移転には特別の取扱いがあることを押さえましょう。
試験での狙われ方

出題傾向と対策

出題頻度数年に 1 回
出題実績過去 37 年で 4 回・4 年分・最新 1994 年
重要度B:重要。直接出題は稀だが、各税法理解の基礎として不可欠な知識です。
解き方のコツ基本用語(納税義務者、課税標準、税率、非課税、軽減税率)を正確に理解し、各税法の学習時にこれらの概念を意識して学習を進めてください。
よく問われるパターン
  • 納税義務者の判定を問う問題(特に不動産取得税、固定資産税)
  • 非課税規定の適用有無を問う問題
  • 軽減税率の適用条件を問う問題
  • 国税と地方税の区分を問う問題
理解度チェック

この論点を、確かめる

解説の理解を確認する自己テスト。詳しい解説はアプリで。

Q1No.1
解答: 正解: 2。不動産取得税の課税標準となるべき額が、土地の取得にあっては10万円、家屋の取得のうち建築に係るものにあっては1戸につき23万円、その他のものにあっては1戸につき12万円に満たない場合においては、不動産
Q2No.1
解答: 正解: 2。市町村長は、納税義務者等の求めに応じ、法令で定めるところにより固定資産課税台帳を閲覧に供しなければならない。ただし、当該部分に記載されている住所が明らかにされることにより人の生命又は身体に危害を及ぼす
よくある質問

税法総論について

宅建の「税法総論」とは何ですか?
今回より税その他の「その他」の部分を中断し、「税法」に入っていきます。まずは「税法総論」についてお話しておきたいと思います。直接宅建本試験で問われることはありませんが、基礎の基礎、税法を勉強していく上での大前提となりますので専門用語の意味などを把握しておいてください。頑張って覚えるようなものでもないので、軽く何度か読んでいただければ頭に入ると思います。
「税法総論」は宅建でよく出ますか?
本試験では過去 37 年間で 4 回、4 年分で出題されています。出題傾向は「数年に 1 回」です。
納税義務者とは、法律上税金を納める義務を負う者のことである。
正解:○。納税義務者は法律で定められた税金の納付義務者です。実質的負担者と異なる場合もあります。
直接税とは、納税義務者と実質的負担者が異なる税金のことである。
正解:×。直接税は納税義務者と実質的負担者が同一の税金です。異なるのは間接税です。
課税標準とは、税額計算の基礎となる額のことである。
正解:○。課税標準は税率を乗じて税額を計算する基礎となる額です。不動産取得税では不動産の価格が該当します。
「税法総論」の覚え方は?
「納課税率」の4文字で覚える:納税義務者、課税物件、課税標準、税率の4要素 ・「直間」で覚える:直接税は自分で直接負担、間接税は間に業者が入る ・「国地」で覚える:国税は国へ、地方税は地方公共団体へ
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