宅建コーチ過去問(年度別)平成元年10
平成元年(1989)本試験

10連帯債務において、取消原因(錯誤・詐欺・強迫)などの人的事由が他の連帯債務者に影響を及ぼすか否かの判断。

連帯債務過去問

この問題の全体像

連帯債務における「相対効」の原則、特に錯誤無効などの人的抗弁が他の連帯債務者に及ばない点を問う問題です。

平成元年10
A及びBは、Cと売買契約を締結し、連帯してその代金を支払う債務を負担している。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。
  • 1CがAに対して代金支払いの請求をすると、Cの代金債権の消滅時効は、Bについても完成が猶予される。
  • 2売買契約を締結する際、Aに錯誤があって、AC間の売買契約を取り消すことができる場合であったとしても、BC間の売買契約を取り消すことはできない。
  • 3AがCに対して債務を承認すると、Cの代金債権の消滅時効は、Bについても更新される。
  • 4Cが死亡し、Aがその相続人としてその代金債権を承継しても、Bの代金支払債務は、消滅しない。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
連帯債務において、取消原因(錯誤・詐欺・強迫)などの人的事由が他の連帯債務者に影響を及ぼすか否かの判断。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
連帯債務における「相対効」の原則、特に錯誤無効などの人的抗弁が他の連帯債務者に及ばない点を問う問題です。
03
知識背景
連帯債務とは、数人の債務者が各自全額の支払義務を負う形態。原則として「相対効」が採用され、一人の事由は他の者に影響しないが、例外とし…
04
覚え方
「連帯は他人のミスを背負わない」=相対効の原則。
05
試験のコツ
時効の中断・完成猶予の範囲 ・免除の効果(絶対効か相対効か) ・相殺の範囲
06
実務での見え方
夫婦や親子で住宅ローンを組む場合、一方が契約内容を誤解していても、銀行は他方から全額回収できる。
07
よくある間違い
{"mistake":"催告(請求)をすれば全員の時効が止まると勘違いする。","why_wrong":"旧法では中断効がなく、新法…
02深度分析
要約
連帯債務における「相対効」の原則、特に錯誤無効などの人的抗弁が他の連帯債務者に及ばない点を問う問題です。
法的根拠
民法433条(連帯債務者の一人について生じた事由の相対効)民法434条(請求等の事由の絶対効 - 旧法)民法95条(錯誤)
論理の流れ
連帯債務では、原則として債務者一人について生じた事由は他の債務者に対して効力を生じない(相対効)。選択肢2の「錯誤」はAの人的な事情であるため、Aの取消しはBに影響しない。これが民法の規定に合致するため正解となる。
重要な区別
連帯債務において、取消原因(錯誤・詐欺・強迫)などの人的事由が他の連帯債務者に影響を及ぼすか否かの判断。
各選択肢のポイント
  • 催告(請求)は他の連帯債務者に対しては時効中断の効力を生じない(6ヶ月の完成猶予のみ)。
  • 債務者の一人について生じた取消原因は、他の債務者に対してその効力を生じない。
  • 債務の承認は一身専属的な行為であり、他の連帯債務者の時効を更新(中断)しない。
  • 債権者の死亡は債権の消滅原因ではなく、相続人に承継されるため、債務は消滅しない。
03知識背景
テーマ概要
連帯債務とは、数人の債務者が各自全額の支払義務を負う形態。原則として「相対効」が採用され、一人の事由は他の者に影響しないが、例外として「絶対効」事由(弁済など)がある。
歴史的背景
旧民法では時効の「中断」が用いられたが、2020年改正民法では「完成猶予」と「更新」に整理された。本問は旧法下の出題である。
関連法令
民法432条(連帯債務の内容)民法433条(相対効の原則)民法434条(絶対効事由)
体系的位置づけ
民法(債権総論)における多数当事者の債権関係の核心。宅建試験では必須論点。
前提知識
連帯債務と保証債務の違い、時効の中断と完成猶予の仕組みを理解していること。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「連帯は他人のミスを背負わない」=相対効の原則。
ビジュアル描写
AとBがCに借金。Aが「騙された」と言っても、Bは「関係ない、払うぞ」と言えるイメージ。
重要公式
人的事由=相対効、物的事由=絶対効。
関連連想
錯誤=個人の頭の中の話=他人には関係ない。
比較表
連帯債務(相対効原則)vs 保証債務(付従性)。連帯債務者は独立した債務者であるが、保証人は主たる債務に従う。
05試験テクニック
出題頻度
2-3年に1回
重要度
A: 連帯債務は不動産取引の基本。
出題パターン
  • 時効の中断・完成猶予の範囲
  • 免除の効果(絶対効か相対効か)
  • 相殺の範囲
解法・消去法
「全員に効力が及ぶ」と書いてある選択肢は、弁済などの例外でない限り怪しいと判断。
時間戦略
「絶対効」か「相対効」かのキーワードを探し、原則(相対効)と例外(絶対効)を素早く判別。
06実務応用
実務シナリオ
夫婦や親子で住宅ローンを組む場合、一方が契約内容を誤解していても、銀行は他方から全額回収できる。
実務への影響
契約書の取り交わし時には、全ての連帯債務者が内容を理解しているか確認が必須。
ケーススタディ
連帯保証人との違いで誤解が生じやすいが、連帯債務者は主たる債務者と同等の責任を負う。
業界関連性
不動産売買の代金支払いやローン契約において極めて重要。
ニュース連動
多重債務問題や成年後見制度との関連で議論されることがある。
07よくある間違い
催告(請求)をすれば全員の時効が止まると勘違いする。
なぜ間違えるか:旧法では中断効がなく、新法でも完成猶予に過ぎないため。
一人の債務承認で全員の時効が更新されると考える。
なぜ間違えるか:承認は一身専属的な行為だから。
解説は、まだ続きます
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