宅建コーチ権利関係令和3年112
令和3年(2021)本試験

112

権利関係借地借家法(借家)過去問

この問題の全体像

建物賃貸借契約の終了に関する総合的な問題。期間の定めがある場合の法定更新後の期間、期間の定めがない場合の解約申入れ、転貸借と解除、造作買取請求権と特約の有効性という4つの論点から正誤を判断する。

令和3年112権利関係
賃貸人Aと賃借人Bとの間で締結した一時使用目的ではない建物賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)の終了に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。
  • 1本件契約に期間を2年とする旨の定めがあり、AもBも更新拒絶の通知をしなかったために本件契約が借地借家法に基づき更新される場合、更新後の期間について特段の合意がなければ、更新後の契約期間は2年となる。
  • 2本件契約において期間の定めがない場合、借地借家法第28条に定める正当事由を備えてAが解約の申入れをしたときには、解約の申入れをした日から6月を経過した日に、本件契約は終了する。
  • 3建物の転貸借がされている場合において、本件契約がB(転貸人)の債務不履行によって解除されて終了するときは、Aが転借人に本件契約の終了を通知した日から6月を経過することによって、転貸借契約は終了する。
  • 4BがAの同意を得て建物に付加した造作がある場合であっても、本件契約終了時にAに対して借地借家法第33条の規定に基づく造作買取請求権を行使することはできない、という特約は無効である。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
建物賃貸借契約の終了に関する総合的な問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
建物賃貸借契約の終了に関する総合的な問題。期間の定めがある場合の法定更新後の期間、期間の定めがない場合の解約申入れ、転貸借と解除、造…
03
知識背景
建物賃貸借契約の終了場面における借地借家法の規定を総合的に理解する問題。期間の定めの有無による終了方法の違い、法定更新の効果、転貸借…
04
覚え方
法定更新後は期間なし(定めがないものとみなす)。解約申入れは正当事由+6月。造作買取は特約で放棄可。転借人保護は債務不履行解除でも手…
05
試験のコツ
法定更新後の期間に関する正誤判定 ・解約申入れの要件と効果 ・転貸借における転借人保護の範囲 ・造作買取請求権と特約の有効性
06
実務での見え方
不動産実務では、賃貸借契約の更新、解約、造作買取請求等の対応が日常的に発生する。賃借人からの造作買取請求への対応や、解約時の正当事由…
07
よくある間違い
{"mistake":"法定更新後の期間が元の契約と同じになると誤解する。","why_wrong":"更新という言葉から、期間も更…
02深度分析
要約
建物賃貸借契約の終了に関する総合的な問題。期間の定めがある場合の法定更新後の期間、期間の定めがない場合の解約申入れ、転貸借と解除、造作買取請求権と特約の有効性という4つの論点から正誤を判断する。
法的根拠
借地借家法第26条(建物賃貸借の更新)借地借家法第28条(解約の申入れ)借地借家法第33条(建物買取請求権)民法第612条(転貸の効果)
論理の流れ
選択肢1は法定更新後の期間について、期間の定めがないものとみなされるため誤り。選択肢2は期間の定めがない場合の解約申入れについて、正当事由と6月の経過で終了するという規定通り正しい。選択肢3は債務不履行による解除の場合、転借人保護の観点から6月経過のみでは終了しない。選択肢4は造作買取請求権について特約で排除可能であり有効である。
重要な区別
法定更新後の期間は「期間の定めがないもの」とみなされる点、債務不履行解除と解約申入れの転借人への影響の違い、造作買取請求権は特約で放棄可能である点が重要。
各選択肢のポイント
  • 借地借家法26条により、法定更新後は期間の定めがないものとみなされるため、更新後の期間が2年となるのは誤り。
  • 期間の定めがない建物賃貸借は、借地借家法28条の正当事由を備えた解約申入れから6月経過で終了する。規定通り正しい。
  • 債務不履行による解除の場合、転借人への通知から6月経過のみでは転貸借は終了せず、別途正当事由が必要とされる。
  • 借地借家法33条の造作買取請求権は、賃借人に不利な特約でも有効であり、放棄する特約は無効ではない。
03知識背景
テーマ概要
建物賃貸借契約の終了場面における借地借家法の規定を総合的に理解する問題。期間の定めの有無による終了方法の違い、法定更新の効果、転貸借における転借人保護、造作買取請求権の性質など、建物賃貸借の核心的論点を網羅している。
歴史的背景
借地借家法は1992年に制定され、旧借地法・借家法を統合。建物賃貸借の更新、解約、造作買取等について賃借人保護の観点から詳細な規定を設けている。判例による補完も重要。
関連法令
借地借家法第26条借地借家法第28条借地借家法第33条民法第612条民法第541条
体系的位置づけ
宅建試験の「法令上の制限」分野における借地借家法の重要論点。毎年必出の分野であり、建物賃貸借の終了関係は頻出テーマである。
前提知識
建物賃貸借の法定更新の仕組み、期間の定めのない賃貸借の解約申入れに必要な正当事由、転貸借における転借人の地位、造作買取請求権の性質と特約による放棄可能性を理解しておく必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
法定更新後は期間なし(定めがないものとみなす)。解約申入れは正当事由+6月。造作買取は特約で放棄可。転借人保護は債務不履行解除でも手厚く。
ビジュアル描写
建物賃貸借の終了フロー図をイメージ。期間あり→更新拒絶通知→法定更新(期間なし)。期間なし→解約申入れ(正当事由)→6月経過で終了。
重要公式
法定更新=期間の定めなし。解約申入れ=正当事由+6月。造作買取=特約で放棄可。
関連連想
「更新」は期間がリセットされず「なし」になる。解約は「正当事由」という強力な壁が必要。転借人は「二重の保護」を受ける。
比較表
解約申入れ(正当事由必要)vs 解除(正当事由不要)。期間あり更新(期間の定めなし)vs 期間なし解約(正当事由必要)。造作買取請求権(特約で放棄可)vs 借地権(特約で放棄不可)
05試験テクニック
出題頻度
借地借家法からの出題は毎年あり、建物賃貸借の終了関係は2-3年に1回の頻度で出題される重要論点。
重要度
A:最重要。建物賃貸借の終了は実務でも頻繁に遭遇する問題であり、試験でも確実に得点すべき基本的事項。
出題パターン
  • 法定更新後の期間に関する正誤判定
  • 解約申入れの要件と効果
  • 転貸借における転借人保護の範囲
  • 造作買取請求権と特約の有効性
解法・消去法
選択肢1は「期間の定めなし」を知っていれば即座に誤りと判断。選択肢4は特約の有効性を知っていれば誤りと判断。残りから正解を導く。
時間戦略
各選択肢の論点は独立しているため、確実な知識がある選択肢から判断し、消去法で進めると効率的。2分以内での解答を目指す。
06実務応用
実務シナリオ
不動産実務では、賃貸借契約の更新、解約、造作買取請求等の対応が日常的に発生する。賃借人からの造作買取請求への対応や、解約時の正当事由の確保等、本問の知識は直接実務に活用される。
実務への影響
賃貸借契約書の作成、更新手続き、解約交渉において、借地借家法の規定を正しく理解していないと、トラブルや法的リスクを招く可能性がある。
ケーススタディ
賃貸人が建物を明け渡してもらいたい場合、期間の定めがある契約なら更新拒絶の通知と正当事由が必要。期間の定めがないなら解約申入れと正当事由が必要。転借人がいる場合はさらに配慮が必要。
業界関連性
不動産賃貸管理業務において、契約終了時の法的要件を理解することは不可欠。賃借人とのトラブル防止、適切な契約管理に直結する知識。
ニュース連動
賃料滞納による明渡し請求、正当事由をめぐる裁判例等、賃貸借紛争は日常的にニュースとなる。本問の知識はこれらの理解にも役立つ。
07よくある間違い
法定更新後の期間が元の契約と同じになると誤解する。
なぜ間違えるか:更新という言葉から、期間も更新されると連想してしまう。借地借家法26条の「期間の定めがないものとみなす」という規定を正確に記憶していない。
債務不履行による解除でも、転借人への通知から6月経過で転貸借が終了すると誤解する。
なぜ間違えるか:解約申入れの場合と解除の場合を混同している。転借人保護の程度が異なることを理解していない。
造作買取請求権は特約で排除できないと誤解する。
なぜ間違えるか:賃借人保護規定だから特約で排除できないと考える。借地権との混同もある。
解説は、まだ続きます
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