令和3年(2021)本試験

140

契約書面(37条書面)過去問

この問題の全体像

宅建業法37条書面の交付義務と記名義務に関する問題。売買・交換契約における書面交付の要否、記載事項、宅建士の記名義務の所在を問う。媒介・代理・自ら当事者となる場合それぞれで義務の有無が異なることが重要論点。

令和3年140
宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)についての宅地建物取引業者Aの義務に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 1Aは、自ら売主として、宅地建物取引業者Bの媒介により、Cと宅地の売買契約を締結した。Bが宅地建物取引士をして37条書面に記名させている場合、Aは宅地建物取引士をして当該書面に記名させる必要はない。
  • 2Aは、Dを売主としEを買主とする宅地の売買契約を媒介した。当該売買契約に、当該宅地が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合においてその不適合を担保すべき責任に関する特約があるときは、Aは、当該特約について記載した37条書面をD及びEに交付しなければならない。
  • 3Aは、自ら買主として、Fと宅地の売買契約を締結した。この場合、Fに対して37条書面を交付する必要はない。
  • 4Aは、自ら貸主として、Gと事業用建物の定期賃貸借契約を締結した。この場合において、借賃の支払方法についての定めがあるときは、Aはその内容を37条書面に記載しなければならず、Gに対して当該書面を交付しなければならない。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
宅建業法37条書面の交付義務と記名義務に関する問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
宅建業法37条書面の交付義務と記名義務に関する問題。売買・交換契約における書面交付の要否、記載事項、宅建士の記名義務の所在を問う。媒…
03
知識背景
37条書面は宅建業者が売買・交換契約を成立させた際に交付する契約内容を記載した書面。宅建業法35条の重要事項説明書(契約前交付)と対…
04
覚え方
「37条は売買交換のみ、賃貸借は対象外」「記名は各自が個別に」「媒介は双方に交付」の3点セットで暗記。
05
試験のコツ
37条書面の対象取引の判定(売買・交換か賃貸借か) ・記載事項の正誤判定 ・交付義務の有無(媒介・代理・自ら当事者) ・宅建士記名義…
06
実務での見え方
不動産仲介業務において、売買契約締結後に速やかに37条書面を作成し、売主・買主双方に交付する。記載事項漏れや交付遅延は監督処分の対象…
07
よくある間違い
{"mistake":"賃貸借契約にも37条書面の交付義務があると誤解する。","why_wrong":"37条と35条の適用範囲を…
02深度分析
要約
宅建業法37条書面の交付義務と記名義務に関する問題。売買・交換契約における書面交付の要否、記載事項、宅建士の記名義務の所在を問う。媒介・代理・自ら当事者となる場合それぞれで義務の有無が異なることが重要論点。
法的根拠
宅建業法第37条第1項宅建業法第37条第2項宅建業法第37条第3項宅建業法第35条第1項民法第562条
論理の流れ
まず37条書面の対象が売買・交換契約に限定されることを確認。選択肢4は賃貸借のため37条書面の対象外と判断。次に宅建業者が当事者となる場合の交付義務を検討。選択肢3は自ら買主としても相手方への交付義務がある。選択肢1は記名義務が各宅建業者に個別にあるため誤り。選択肢2は媒介の場合、契約内容を記載した書面を双方に交付する義務があり正しい。
重要な区別
37条書面は「売買・交換」のみが対象で賃貸借は除外される点。また宅建士の記名義務は各宅建業者が個別に負い、他者の記名で免除されない点。
各選択肢のポイント
  • 記名義務は各宅建業者が個別に負う。媒介業者Bの記名があっても、売主Aも自ら宅建士に記名させる義務がある。
  • 媒介を行った場合、契約不適合担保責任の特約を含む契約内容を記載した37条書面を売主・買主双方に交付する義務がある。
  • 宅建業者が自ら買主となる場合でも、売主である相手方Fに37条書面を交付する義務がある。自ら当事者でも交付義務は免除されない。
  • 37条書面は売買・交換契約のみが対象。賃貸借契約は37条書面の交付義務の対象外であり、記載・交付義務ともに生じない。
03知識背景
テーマ概要
37条書面は宅建業者が売買・交換契約を成立させた際に交付する契約内容を記載した書面。宅建業法35条の重要事項説明書(契約前交付)と対をなす契約時交付書面。記載事項、交付相手方、宅建士の記名押印が法的に定められている。
歴史的背景
37条書面制度は取引の透明性と証拠保全を目的として設けられた。2020年民法改正により瑕疵担保責任が契約不適合担保責任に改められ、記載事項の表現も変更された。定期賃貸借の普及により賃貸借との関係も論点化。
関連法令
宅建業法第37条第1項各号宅建業法第37条第2項宅建業法第35条民法第562条から第568条宅建業法施行規則第16条の2
体系的位置づけ
宅建業法の「業務規制」分野における重要論点。35条書面と並ぶ書面交付義務の双璧。宅建試験では毎年何らかの形で出題される最重要項目の一つ。
前提知識
35条書面(重要事項説明書)との違い、宅建士の記名押印義務、媒介・代理・両媒介の区別、自ら当事者となる場合の取扱い、売買・交換と賃貸借の区別が必要。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「37条は売買交換のみ、賃貸借は対象外」「記名は各自が個別に」「媒介は双方に交付」の3点セットで暗記。
ビジュアル描写
契約の流れを時系列でイメージ:重要事項説明(35条)→契約締結→37条書面交付。売買・交換のみ37条が登場し、賃貸借は35条で終了。
重要公式
37条書面=売買・交換限定+契約内容記載+宅建士記名押印+当事者への交付
関連連想
「37」を「みな(3)な(7)」と覚え、「みな売買交換だけ」と連想。賃貸借は35条で「さ(3)ご(5)」と結びつける。
比較表
35条書面:契約前交付・全取引対象・重要事項中心/37条書面:契約時交付・売買交換のみ・契約内容中心/両者とも宅建士の記名押印が必要
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題される最重要論点。37条書面単独または35条書面との比較で出題される。
重要度
A:最重要。宅建業法の中核的規定であり、実務でも日常的に関わるため必須知識。
出題パターン
  • 37条書面の対象取引の判定(売買・交換か賃貸借か)
  • 記載事項の正誤判定
  • 交付義務の有無(媒介・代理・自ら当事者)
  • 宅建士記名義務の所在
解法・消去法
賃貸借に関する選択肢は即×で消去。自ら当事者の場合でも交付義務がある点に注意。記名義務の免除を認める選択肢は×。
時間戦略
まず取引形態(売買・交換/賃貸借)を確認し、賃貸借なら37条書面不要と即断。次に宅建業者の立場(媒介・代理・当事者)を確認。
06実務応用
実務シナリオ
不動産仲介業務において、売買契約締結後に速やかに37条書面を作成し、売主・買主双方に交付する。記載事項漏れや交付遅延は監督処分の対象となる。
実務への影響
37条書面は契約内容の証拠として裁判で重要な役割を果たす。記載不備はトラブルの原因となり、宅建業者の責任問題に発展する。
ケーススタディ
中古住宅売買で瑕疵が発見された際、37条書面に契約不適合担保責任の特約が記載されていたかが争点となった事例。記載がない場合、特約の存在を証明できず業者が責任を問われた。
業界関連性
不動産取引の透明性確保に不可欠。業界の信頼性向上に寄与する制度であり、遵守は必須。
ニュース連動
不動産価格高騰やトラブル増加に伴い、書面交付の適正化が注目されている。消費者保護の観点からも重要。
07よくある間違い
賃貸借契約にも37条書面の交付義務があると誤解する。
なぜ間違えるか:37条と35条の適用範囲を混同している。35条は全取引対象だが、37条は売買・交換に限定される。
他の宅建業者が記名すれば自分の記名義務は免除されると誤解する。
なぜ間違えるか:記名義務の性質を各宅建業者が個別に負う義務と理解していない。
宅建業者が自ら当事者となる場合、37条書面の交付義務がないと誤解する。
なぜ間違えるか:自ら当事者となる場合の特例を過大に解釈している。
解説は、まだ続きます
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