令和3年(2021)本試験

142

契約書面(37条書面)(個数問題)過去問

この問題の全体像

宅建業法37条書面の記載事項に関する問題。既存建物の貸借媒介において、37条1項の記載事項と2項の記載事項の適用範囲を区別できるかが問われている。施行規則16条の4の3に基づく建築・維持保全書面の保存状況は新築建物のみに適用される。

令和3年142
宅地建物取引業者が媒介により既存建物の貸借の契約を成立させた場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法第37条の規定により当該貸借の契約当事者に対して交付すべき書面に記載しなければならない事項はいくつあるか。 ア 借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額並びに当該金銭の授受の時期及び目的 イ 設計図書、点検記録その他の建物の建築及び維持保全の状況に関する書面で、国土交通省令で定めるものの保存の状況 ウ 契約の解除に関する定めがあるときは、その内容 エ 天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容
  • 1一つ
  • 2二つ
  • 3三つ
  • 4四つ

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
宅建業法37条書面の記載事項に関する問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
宅建業法37条書面の記載事項に関する問題。既存建物の貸借媒介において、37条1項の記載事項と2項の記載事項の適用範囲を区別できるかが…
03
知識背景
37条書面は契約成立時に交付する重要書面で、宅建業法上最も重要な書面の一つ。記載事項は1項の絶対的記載事項(氏名等、物件概要、代金等…
04
覚え方
37条1項の相対的記載事項は「借金解除損天」と覚える。借(借賃以外の金銭)・金(金銭の授受)・解除(契約解除)・損(損害賠償・違約金…
05
試験のコツ
記載事項の個数を問う問題 ・新築と既存の適用範囲を問う問題 ・35条と37条の違いを問う問題 ・絶対的・相対的記載事項の区別
06
実務での見え方
賃貸契約締結時、宅建士は37条書面を作成・交付する。敷金・礼金(借賃以外の金銭)の額や目的、解約予告や違反時の解除条項、天災時の損害…
07
よくある間違い
{"mistake":"施行規則16条の4の3の記載事項を既存建物にも適用があると誤解する。","why_wrong":"「設計図書…
02深度分析
要約
宅建業法37条書面の記載事項に関する問題。既存建物の貸借媒介において、37条1項の記載事項と2項の記載事項の適用範囲を区別できるかが問われている。施行規則16条の4の3に基づく建築・維持保全書面の保存状況は新築建物のみに適用される。
法的根拠
宅建業法第37条第1項宅建業法施行規則第16条の4の3宅建業法第35条宅建業法施行規則第16条の2民法第541条
論理の流れ
まず37条書面の記載事項を体系的に理解する。1項は全ての契約に適用される絶対的記載事項と相対的記載事項から成る。ア(借賃以外の金銭)は1項4号、ウ(解除)は1項7号、エ(不可抗力)は1項9号の相対的記載事項に該当。イ(設計図書等)は施行規則16条の4の3の規定だが、これは新築建物の売買・貸借に限定される。問題文は「既存建物」のため、イは記載不要。よって三つが正解。
重要な区別
最も重要な区別は、37条1項の各号と施行規則の適用範囲の違い。施行規則16条の4の3に基づく建築・維持保全書面の保存状況は「新築建物」のみに適用され、「既存建物」には適用されない点が決定的。
各選択肢のポイント
  • 借賃以外の金銭の授受について定めがあるときは、その額・授受時期・目的を37条書面に記載する必要がある。
  • 設計図書等の保存状況は、既存建物の貸借契約における37条書面の記載事項ではない。
  • 契約解除に関する定めがあるときは、その内容を37条書面に記載する必要がある。
  • 天災その他不可抗力による損害負担の定めがあるときは、その内容を37条書面に記載する必要がある。
03知識背景
テーマ概要
37条書面は契約成立時に交付する重要書面で、宅建業法上最も重要な書面の一つ。記載事項は1項の絶対的記載事項(氏名等、物件概要、代金等)と相対的記載事項(解除、損害賠償等)、2項の新築建物特有の記載事項から成る。35条重要事項説明書と並ぶ宅建士の核心業務。
歴史的背景
37条書面制度は取引の透明性と当事者保護を目的に設けられた。2000年代の改正で新築建物の建築・維持保全書面の保存状況の記載が追加され、瑕疵担保責任の適正化が図られた。これは住宅品質確保促進法との連動による。
関連法令
宅建業法第37条第1項各号宅建業法第37条第2項宅建業法施行規則第16条の2住宅品質確保促進法民法第541条以下
体系的位置づけ
宅建業法の「業務規制」の中核を成す。35条重要事項説明と37条書面交付は宅建士の独占業務であり、毎年必ず出題される最重要論点の一つ。
前提知識
35条書面と37条書面の違い(説明vs契約書面)、絶対的記載事項と相対的記載事項の区別、新築と既存の違いによる適用範囲の変化を理解しておく必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
37条1項の相対的記載事項は「借金解除損天」と覚える。借(借賃以外の金銭)・金(金銭の授受)・解除(契約解除)・損(損害賠償・違約金)・天(天災不可抗力)。2項は「新築だけ設計図」。
ビジュアル描写
37条書面を「契約の要約」としてイメージ。1項は全契約共通のベース部分、2項は新築建物にのみ乗る「オプションパーツ」。既存建物ならオプションなし。
重要公式
37条1項=絶対的3つ(氏名・物件・代金)+相対的6つ。2項=新築建物のみ適用。既存建物=2項不適用。
関連連想
「新築」には設計図書が必要だが、「既存」にはもう設計図書の保存状況は関係ないと連想。新築=新品=書類完備、既存=中古=書類不要。
比較表
35条書面:契約前の説明、重要事項全般、絶対的記載中心。37条書面:契約成立時の交付、契約内容中心、相対的記載多数。2項:新築建物のみ適用、既存建物は対象外。
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題される最重要論点。37条書面の記載事項、交付義務、35条との違いは頻出パターン。
重要度
A:最重要。宅建士の独占業務の核心であり、実務でも日常的に使用する知識。
出題パターン
  • 記載事項の個数を問う問題
  • 新築と既存の適用範囲を問う問題
  • 35条と37条の違いを問う問題
  • 絶対的・相対的記載事項の区別
解法・消去法
「新築建物」以外で設計図書等の記載が選択肢にある場合、それは不要と判断。逆に「解除」「損害賠償」「不可抗力」は定めがある限り記載が必要。
時間戦略
37条関連は体系的に整理済みなら30秒で解答可能。「新築」「既存」のキーワードを即座に確認し、2項の適用有無を判断する。
06実務応用
実務シナリオ
賃貸契約締結時、宅建士は37条書面を作成・交付する。敷金・礼金(借賃以外の金銭)の額や目的、解約予告や違反時の解除条項、天災時の損害負担などを正確に記載し、契約当事者に交付する。既存物件なら建築書面の記載は不要。
実務への影響
37条書面は契約内容を明確化し、後日の紛争を防ぐ重要な機能を持つ。記載漏れは宅建業法違反として監督処分の対象となる。
ケーススタディ
賃貸アパートの媒介で、敷金2ヶ月分、契約期間2年、途中解約は3ヶ月前通告等の条件があった場合、これらを37条書面に記載して交付する。既存アパートのため建築時の設計図書の保存状況は記載不要。
業界関連性
不動産業界では37条書面の適正な作成・交付が日常業務。宅建士試験合格後も実務で頻繁に使用する知識であり、不適正な記載はトラブルの原因となる。
ニュース連動
最近は電子契約の普及に伴い、37条書面の電子交付も増加。2022年改正で電子交付の要件が整備され、DX化が進んでいる。
07よくある間違い
施行規則16条の4の3の記載事項を既存建物にも適用があると誤解する。
なぜ間違えるか:「設計図書等の保存状況」は新築建物の売買・貸借に限定された規定であり、既存建物には適用されないことを理解していない。
相対的記載事項を「記載不要」と判断してしまう。
なぜ間違えるか:「定めがあるときは」の条件を見落とし、相対的記載事項を一律に不要と誤解する。
35条書面と37条書面の記載事項を混同する。
なぜ間違えるか:重要事項説明書(35条)と契約書面(37条)の記載事項を同じと誤解する。
解説は、まだ続きます
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