令和3年(2021)本試験

233

重要事項説明書(35条書面)過去問

この問題の全体像

宅建業法35条の重要事項説明における水害ハザードマップの取扱いに関する問題。令和2年7月の施行規則改正で新設された事項で、市町村が作成した水害ハザードマップの提示義務と、作成されていない場合の対応が問われている。

令和3年233
宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明における水防法施行規則第11条第1号の規定により市町村(特別区を含む。以下この問において同じ。)の長が提供する図面(以下この問において「水害ハザードマップ」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
  • 1宅地建物取引業者は、市町村が、取引の対象となる宅地又は建物の位置を含む水害ハザードマップを作成せず、又は印刷物の配布若しくはホームページ等への掲載等をしていないことを確認できた場合は、重要事項説明書にその旨記載し、重要事項説明の際に提示すべき水害ハザードマップが存在しない旨を説明すればよい。
  • 2宅地建物取引業者は、市町村が取引の対象となる宅地又は建物の位置を含む「洪水」、「雨水出水(内水)」、「高潮」の水害ハザードマップを作成している場合、重要事項説明の際にいずれか1種類の水害ハザードマップを提示すればよい。
  • 3宅地建物取引業者は、市町村が取引の対象となる宅地又は建物の位置を含む水害ハザードマップを作成している場合、売買又は交換の媒介のときは重要事項説明の際に水害ハザードマップを提示しなければならないが、貸借の媒介のときはその必要はない。
  • 4宅地建物取引業者は、市町村が取引の対象となる宅地又は建物の位置を含む水害ハザードマップを作成している場合、重要事項説明書に水害ハザードマップを添付すれば足りる。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
宅建業法35条の重要事項説明における水害ハザードマップの取扱いに関する問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
宅建業法35条の重要事項説明における水害ハザードマップの取扱いに関する問題。令和2年7月の施行規則改正で新設された事項で、市町村が作…
03
知識背景
水害ハザードマップは、洪水、雨水出水(内水)、高潮等の水害に関する危険区域を示す図面。宅建業法35条の重要事項として、取引対象物件の…
04
覚え方
「水害マップ、市が作れば提示必須、作らなければその旨記載」で覚える。「洪水・内水・高潮」の3種類は「高洪内(こうない)」で連想。
05
試験のコツ
作成有無による対応の違いを問う問題 ・提示義務の対象取引を問う問題 ・提示方法(添付vs説明時提示)を問う問題
06
実務での見え方
宅建士が中古住宅の売買媒介を行う際、市町村のホームページで水害ハザードマップを確認・印刷し、重要事項説明の際に買主に示しながら「この…
07
よくある間違い
{"mistake":"貸借の媒介では水害ハザードマップの提示が不要と誤解する。","why_wrong":"他の重要事項で貸借が除…
02深度分析
要約
宅建業法35条の重要事項説明における水害ハザードマップの取扱いに関する問題。令和2年7月の施行規則改正で新設された事項で、市町村が作成した水害ハザードマップの提示義務と、作成されていない場合の対応が問われている。
法的根拠
宅地建物取引業法第35条宅建業法施行規則第16条の6水防法施行規則第11条第1号水防法第13条
論理の流れ
水害ハザードマップの説明義務は、市町村が作成し提供している場合に限られる。作成されていない場合は、その旨を重要事項説明書に記載し説明すれば足りる。複数種類ある場合は全種類の提示が必要。売買・交換・貸借の全取引形態で提示義務がある。添付だけでは不十分で、説明時の提示が必須である。これらを整理すると選択肢1が正解となる。
重要な区別
「作成されていない場合の対応」と「作成されている場合の提示義務」の区別。また、提示義務の対象取引(売買・交換・貸借全て)と提示方法(説明時の提示が必須)の理解が重要。
各選択肢のポイント
  • 市町村が水害ハザードマップを作成・提供していない場合、その旨を記載・説明すれば足りるという正しい記述。
  • 複数種類の水害ハザードマップがある場合、いずれか1種類ではなく全種類を提示する必要がある。
  • 水害ハザードマップの提示義務は売買・交換だけでなく貸借の媒介でも必要である。
  • 重要事項説明書への添付だけでは不十分で、重要事項説明の際に提示し説明することが必要である。
03知識背景
テーマ概要
水害ハザードマップは、洪水、雨水出水(内水)、高潮等の水害に関する危険区域を示す図面。宅建業法35条の重要事項として、取引対象物件の位置を含む水害ハザードマップが市町村から提供されている場合、重要事項説明の際に提示し説明することが義務付けられている。
歴史的背景
令和2年7月の宅建業法施行規則改正により新設。近年の水害被害の増加に伴い、購入者・借主が水害リスクを事前に把握できるよう、重要事項説明での提示が義務化された。令和3年(2021年)試験から出題対象となった。
関連法令
宅地建物取引業法第35条宅建業法施行規則第16条の6第1項第17号水防法第13条水防法施行規則第11条第1号
体系的位置づけ
宅建業法の重要事項説明(35条書面)の一部。法令制限に関する事項の中で、災害リスクに関する重要な項目として位置づけられる。近年の法改正で追加された新規論点。
前提知識
重要事項説明書の記載事項全体の理解、35条書面と37条書面の区別、水害ハザードマップの種類(洪水、内水、高潮)、市町村の作成義務と提供方法についての基礎知識が必要。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「水害マップ、市が作れば提示必須、作らなければその旨記載」で覚える。「洪水・内水・高潮」の3種類は「高洪内(こうない)」で連想。
ビジュアル描写
重要事項説明の場面で、宅建士が水害ハザードマップを広げて説明するイメージ。マップがない場合は「ありません」と記載された書面を示す。
重要公式
水害ハザードマップ=洪水+雨水出水(内水)+高潮/提示義務=売買・交換・貸借の全取引
関連連想
近年の豪雨災害ニュースと結びつけて記憶。西日本豪雨、線状降水帯等の話題から水害リスクの重要性を連想。
比較表
作成あり→提示必須/作成なし→その旨記載・説明/売買・交換・貸借→全て提示必要/添付のみ→不十分(説明時提示必須)
05試験テクニック
出題頻度
令和3年試験から出題対象。新規論点として今後数年は頻出の可能性が高い。重要事項説明関連では毎年何らかの形で出題される。
重要度
A:最重要。法改正で新設された事項であり、実務上も重要度が高く、試験でも頻出する可能性が高い。
出題パターン
  • 作成有無による対応の違いを問う問題
  • 提示義務の対象取引を問う問題
  • 提示方法(添付vs説明時提示)を問う問題
解法・消去法
「いずれか1種類でよい」「貸借は不要」「添付だけでよい」といった義務を軽減する表現は誤りと判断。義務の免除・軽減を説く選択肢は要注意。
時間戦略
水害ハザードマップ関連は改正事項のため、基本ルールを押さえれば正解しやすい。1分以内で判断可能。選択肢の「いずれか1種類」「貸借は不要」「添付で足りる」等の表現に注目。
06実務応用
実務シナリオ
宅建士が中古住宅の売買媒介を行う際、市町村のホームページで水害ハザードマップを確認・印刷し、重要事項説明の際に買主に示しながら「この物件は洪水浸水想定区域に含まれます」と説明する。マップがない場合は「当該市町村では作成されていません」と記載・説明する。
実務への影響
購入者・借主が事前に水害リスクを把握でき、適切な防災対策や保険加入の判断が可能になる。事後トラブルの防止にも寄与する。
ケーススタディ
A市で宅建業者が土地付建物の売買を媒介。市のHPで洪水ハザードマップを確認し印刷、説明時に提示。買主は浸水リスクを理解した上で購入を決断。後日豪雨で浸水したが、重要事項説明で把握済みのためトラブルにならなかった。
業界関連性
不動産取引の透明性向上に貢献。宅建業者には情報収集・説明責任が求められ、専門性の発揮機会となる。
ニュース連動
近年の豪雨災害、線状降水帯による水害被害の増加、気候変動による災害リスクの高まりと密接に関連。災害リスクの不動産取引への反映が注目されている。
07よくある間違い
貸借の媒介では水害ハザードマップの提示が不要と誤解する。
なぜ間違えるか:他の重要事項で貸借が除外される場合と混同している。水害ハザードマップは貸借でも提示が必要。
重要事項説明書への添付だけで十分と誤解する。
なぜ間違えるか:書面交付と説明の区別が曖昧。35条は説明義務が中心であり、単なる添付では不十分。
複数種類のマップがある場合、1種類の提示で十分と誤解する。
なぜ間違えるか:義務を軽く解釈してしまう傾向。全てのリスク情報を提供するという法の趣旨を理解していない。
解説は、まだ続きます
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