令和3年(2021)本試験
問234
営業保証金過去問
この問題の全体像
営業保証金制度に関する総合的理解を問う問題。供託義務、還付請求権者の範囲、供託物の種類と評価額が論点。特に取引相手が宅建業者に該当する場合の還付請求権の有無が正解の鍵となる。
宅地建物取引業法の規定に基づく営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1国土交通大臣から免許を受けた宅地建物取引業者が、営業保証金を主たる事務所のもよりの供託所に供託した場合、当該供託所から国土交通大臣にその旨が通知されるため、当該宅地建物取引業者は国土交通大臣にその旨を届け出る必要はない。
- 2宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、当該宅地建物取引業者が供託した営業保証金について、その債権の弁済を受ける権利を有するが、取引をした者が宅地建物取引業者に該当する場合は、その権利を有しない。
- 3営業保証金は、金銭による供託のほか、有価証券をもって供託することができるが、金銭と有価証券とを併用して供託することはできない。
- 4有価証券を営業保証金に充てる場合における当該有価証券の価額は、国債証券の場合はその額面金額の100分の90、地方債証券の場合はその額面金額の100分の80である。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
営業保証金制度に関する総合的理解を問う問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
営業保証金制度に関する総合的理解を問う問題。供託義務、還付請求権者の範囲、供託物の種類と評価額が論点。特に取引相手が宅建業者に該当す…
03
知識背景
営業保証金制度は、宅建業者がその業務を行うにあたり、取引相手方の利益を保護するために供託を義務付けた制度。免許の種類により供託額が異…
04
覚え方
「業者は業者から守らない」=業者間取引は営業保証金の対象外。国債95・地方債90・その他80で「国が一番高い評価」。
05
試験のコツ
還付請求権者の範囲(業者間取引の可否)
・有価証券の評価割合の数値問題
・供託額と届出義務の組み合わせ問題
06
実務での見え方
宅建業者A社が消費者から手付金を受領後、倒産した場合、消費者は営業保証金から優先的に弁済を受けられる。しかし、取引相手が他の宅建業者…
07
よくある間違い
{"mistake":"供託所からの通知があれば業者の届出は不要と誤解する。","why_wrong":"供託所通知と業者届出は別個…
02深度分析
要約
営業保証金制度に関する総合的理解を問う問題。供託義務、還付請求権者の範囲、供託物の種類と評価額が論点。特に取引相手が宅建業者に該当する場合の還付請求権の有無が正解の鍵となる。
法的根拠
宅建業法第25条(営業保証金の供託)宅建業法第25条の2(有価証券による供託)宅建業法第26条(営業保証金による弁済)宅建業法施行令第4条(有価証券の価額)
論理の流れ
選択肢2の正誤判定が本問の核心。宅建業法26条1項ただし書きを確認。「宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者」は営業保証金から弁済を受ける権利を有するが、「その者が宅地建物取引業者であるとき」は権利を有しないと明記されている。業者間取引では営業保証金による保護を受けられないという制度趣旨に合致する。
重要な区別
営業保証金制度は一般消費者保護が目的であり、業者間取引には適用されない。この「消費者保護」の制度趣旨が各選択肢の判定基準となる。
各選択肢のポイント
- 宅建業法25条3項により、供託後の届出は業者の義務。供託所からの通知があっても届出義務は免除されない。
- 宅建業法26条1項ただし書きの規定通り。取引相手が宅建業者の場合は営業保証金による弁済請求権を有しない。
- 宅建業法25条の2第1項により、金銭と有価証券を併用して供託することは可能。併用禁止の規定はない。
- 宅建業法施行令4条により、国債は額面の100分の95、地方債は額面の100分の90が正しい評価額。
03知識背景
テーマ概要
営業保証金制度は、宅建業者がその業務を行うにあたり、取引相手方の利益を保護するために供託を義務付けた制度。免許の種類により供託額が異なり、国土交通大臣免許は1,500万円、都道府県知事免許は本店・支店ごとに1,000万円・500万円が必要。
歴史的背景
昭和27年の宅建業法制定時から存在する制度。当初は業者の信用確保が主眼だったが、消費者保護の観点から整備。平成16年の改正で保証金の還付請求手続き等が明確化された。
関連法令
宅建業法第25条(営業保証金の供託)宅建業法第26条(営業保証金による弁済)宅建業法第27条(営業保証金の還付等)宅建業法施行令第4条(有価証券の価額)
体系的位置づけ
宅建業法の業者規制の中核的制度。免許制度と並ぶ業者の信用確保・消費者保護の柱。令和2年度から保証金に代わる弁済業務保証金制度との選択制が導入。
前提知識
営業保証金の供託場所(主たる事務所の最寄りの供託所)、供託額、還付請求の手続き、有価証券の評価割合、弁済業務保証金制度との関係を理解しておく必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「業者は業者から守らない」=業者間取引は営業保証金の対象外。国債95・地方債90・その他80で「国が一番高い評価」。
ビジュアル描写
「消費者」が中心に位置し、その周りに営業保証金の盾があるイメージ。「業者」は盾の外に位置し保護対象外。
重要公式
国債=額面×95%、地方債=額面×90%、その他=額面×80%。大臣免許=1,500万円、知事免許本店=1,000万円・支店=500万円。
関連連想
「95・90・80」は「ゴ・キ・ブリ」と覚える。国債が一番安全で評価額が高い。
比較表
営業保証金:供託所へ供託、個別還付請求/弁済業務保証金:保証協会へ納付、一括弁済。業者間取引:両制度とも対象外。
05試験テクニック
出題頻度
営業保証金関連は毎年1問程度出題。供託額、還付請求権者、有価証券評価額が頻出論点。
重要度
A:最重要。宅建業法の基本制度であり、実務でも重要。確実に得点すべき分野。
出題パターン
- 還付請求権者の範囲(業者間取引の可否)
- 有価証券の評価割合の数値問題
- 供託額と届出義務の組み合わせ問題
解法・消去法
「併用不可」は消去法で誤りと判断しやすい。「業者間取引は保護なし」は制度趣旨から正解候補に残す。
時間戦略
有価証券評価額の数値は暗記済みなら即答可能。還付請求権者は制度趣旨から判断。2分以内で解答可能。
06実務応用
実務シナリオ
宅建業者A社が消費者から手付金を受領後、倒産した場合、消費者は営業保証金から優先的に弁済を受けられる。しかし、取引相手が他の宅建業者B社の場合、B社は営業保証金から弁済を受けられず、一般債権者として扱われる。
実務への影響
消費者保護の最後の砦として機能。業者の信用力を担保し、取引の安全性を確保。消費者は業者の免許証確認で保護の有無を判断可能。
ケーススタディ
消費者が宅建業者から物件を購入し、手付金を支払った後、業者が倒産。消費者は供託所に還付請求手続きを行い、営業保証金から手付金の返還を受けた。この際、他の債権者より優先的に弁済を受ける。
業界関連性
業者の資金繰りに影響。免許更新時の供託義務は経営の負担。保証協会利用で資金負担を軽減可能。
ニュース連動
不動産業者の倒産・トラブル増加に伴い、営業保証金制度の重要性が再認識。消費者保護の観点から制度の周知が進んでいる。
07よくある間違い
供託所からの通知があれば業者の届出は不要と誤解する。
なぜ間違えるか:供託所通知と業者届出は別個の義務と混同。法文上、両方が規定されていることを理解していない。
正しい理解:「通知」と「届出」は別制度と整理。業者の義務は免除されないと暗記。
金銭と有価証券の併用を不可と誤解する。
なぜ間違えるか:「又は」の解釈を排他的と捉える傾向。法的には選択的併用が可能。
正しい理解:「又は」は併用可と覚える。禁止規定がない限り併用は原則可能。
有価証券の評価割合を国債90%・地方債80%と逆に覚える。
なぜ間違えるか:数値の暗記が曖昧。安全性の高い国債が高い評価を受けるという原則を理解していない。
正しい理解:「国債が一番安全=一番高い評価」で覚える。95・90・80の順で暗記。
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