令和3年(2021)本試験
問236
重要事項説明書(35条書面)過去問
この問題の全体像
宅建業法35条に規定する重要事項説明について、建物の貸借媒介における都市計画法第29条第1項の規定に基づく制限は説明事項として掲げられていないことを問う問題。35条各号の説明事項を正確に把握する必要がある。
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、同法の規定に少なくとも説明しなければならない事項として掲げられていないものはどれか。
- 1建物の貸借の媒介を行う場合における、「都市計画法第29条第1項の規定に基づく制限」
- 2建物の貸借の媒介を行う場合における、「当該建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その内容」
- 3建物の貸借の媒介を行う場合における、「台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況」
- 4宅地の貸借の媒介を行う場合における、「敷金その他いかなる名義をもって授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項」
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
宅建業法35条に規定する重要事項説明について、建物の貸借媒介における都市計画法第29条第1項の規定に基づく制限は説明事項として掲げられていないことを問う問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
宅建業法35条に規定する重要事項説明について、建物の貸借媒介における都市計画法第29条第1項の規定に基づく制限は説明事項として掲げら…
03
知識背景
宅建業法35条は、宅建業者が売買・交換・貸借の媒介又は代理を行う際、契約前に重要事項を説明することを義務付けている。説明事項は物件に…
04
覚え方
建物貸借の説明事項は「設備・石綿・金銭」がキーワード。都市計画法の制限は「宅地」の開発に関するものなので建物貸借には不要と覚える。
05
試験のコツ
説明事項の列挙・非列挙の判定
・売買と貸借での説明事項の違い
・37条書面との比較
06
実務での見え方
賃貸物件の仲介業務において、宅建士は入居者に対して設備の状況、石綿調査結果、敷金精算方法等を説明する。これらは契約トラブルを防ぐため…
07
よくある間違い
{"mistake":"都市計画法の制限は全ての取引で説明が必要と誤解する","why_wrong":"都市計画法の制限は主に宅地の…
02深度分析
要約
宅建業法35条に規定する重要事項説明について、建物の貸借媒介における都市計画法第29条第1項の規定に基づく制限は説明事項として掲げられていないことを問う問題。35条各号の説明事項を正確に把握する必要がある。
法的根拠
宅建業法第35条第1項宅建業法第35条第2項都市計画法第29条第1項宅建業法第35条第1項第13号宅建業法第35条第1項第14号
論理の流れ
まず、宅建業法35条は重要事項説明として必須の事項を列挙している。都市計画法29条は開発許可に関する規定であり、宅地の造成等に関する制限である。建物の貸借においては、都市計画法上の開発許可制限は直接関係しないため、説明事項として掲げられていない。他方、石綿調査結果、設備の整備状況、敷金精算事項はいずれも35条に明記されている説明事項である。
重要な区別
建物の貸借と宅地の売買・貸借で説明事項が異なる点が重要。都市計画法上の制限は宅地に関する事項であり、建物の貸借には直接関係しないため説明事項から除外されている。
各選択肢のポイント
- 都市計画法29条の開発許可制限は建物貸借に直接関係せず、35条の説明事項として掲げられていない。正解。
- 石綿の使用有無の調査結果は35条1項14号に規定され、建物貸借でも説明が必要な事項である。
- 設備の整備状況は35条1項第13号に規定され、建物の貸借において説明が必要な事項として明記されている。
- 敷金等の精算に関する事項は35条1項第12号に規定され、宅地・建物の貸借とも説明が必要である。
03知識背景
テーマ概要
宅建業法35条は、宅建業者が売買・交換・貸借の媒介又は代理を行う際、契約前に重要事項を説明することを義務付けている。説明事項は物件に関する事項、契約に関する事項等に大別され、取引の相手方を保護する目的がある。説明は宅建士が書面を交付して行う。
歴史的背景
35条は消費者保護の観点から設けられた規定で、昭和45年の宅建業法制定時から存在。その後、石綿問題や欠陥住宅問題等の社会情勢の変化に対応し、説明事項は拡充されてきた。平成27年改正で石綿に関する事項が追加された。
関連法令
宅建業法第35条宅建業法第37条都市計画法第29条建物の耐震診断に関する法律石綿障害予防法
体系的位置づけ
宅建業法の中でも特に重要な規定の一つで、宅建士の独占業務である重要事項説明の中核をなす。試験では毎年のように出題される最重要論点の一つである。
前提知識
35条の説明事項は、物件に関する事項(権利関係、法令上の制限等)と契約に関する事項(金銭、解除等)に分類される。売買と貸借で説明事項が一部異なる点に注意が必要。また、37条書面との違いも理解しておく必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
建物貸借の説明事項は「設備・石綿・金銭」がキーワード。都市計画法の制限は「宅地」の開発に関するものなので建物貸借には不要と覚える。
ビジュアル描写
35条の説明事項を「物件編」と「契約編」に分けてイメージ。物件編には法令制限が含まれるが、建物貸借では宅地に関する法令制限は対象外と整理する。
重要公式
建物貸借+都市計画法=説明不要。建物貸借+設備・石綿・敷金=説明必要。
関連連想
都市計画法は「都市の計画」だから宅地が対象。建物の貸借は「部屋探し」だから設備や石綿が重要。この対比で覚える。
比較表
建物貸借の説明事項:設備状況○、石綿○、敷金○、都市計画法×。宅地売買の説明事項:設備×、石綿△、敷金×、都市計画法○。取引態様と物件種類で判断。
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題
重要度
A:最重要。35条は宅建業法の中核であり、宅建士の実務に直結する重要規定であるため。
出題パターン
- 説明事項の列挙・非列挙の判定
- 売買と貸借での説明事項の違い
- 37条書面との比較
解法・消去法
選択肢を読み、取引態様(売買・貸借)と物件(宅地・建物)を確認。その組み合わせで説明事項が適切か判断し、不適切なものを正解とする。
時間戦略
35条関連問題は知識があれば1分以内で解ける。迷ったら「取引態様」と「物件種類」を確認し、該当する説明事項か判断する。
06実務応用
実務シナリオ
賃貸物件の仲介業務において、宅建士は入居者に対して設備の状況、石綿調査結果、敷金精算方法等を説明する。これらは契約トラブルを防ぐため重要。一方、都市計画法の開発許可制限は、既存建物の賃貸には直接関係しない。
実務への影響
重要事項説明は宅建士の独占業務であり、適切な説明を行わない場合は業務停止処分等の対象となる。実務において説明事項の正確な把握は必須である。
ケーススタディ
賃貸アパートの仲介で、入居者が「前の入居者の敷金精算はどうなるか」と質問。35条に基づき、敷金精算に関する事項を説明する義務がある。設備の不具合についても事前説明が必要。
業界関連性
賃貸仲介業において35条説明は日常業務の核心。説明漏れはクレームや法的責任につながるため、業界全体で重要性が認識されている。
ニュース連動
近年、石綿問題やシックハウス症候群等の健康被害が社会問題化しており、これらに関する説明事項の重要性が増している。
07よくある間違い
都市計画法の制限は全ての取引で説明が必要と誤解する
なぜ間違えるか:都市計画法の制限は主に宅地の開発に関するものであり、建物の貸借には直接関係しないため。
正しい理解:各説明事項について、どの取引態様・物件種類で必要かを整理して覚える。
35条と37条の書面の内容を混同する
なぜ間違えるか:35条は重要事項説明書、37条は契約書面であり、記載事項が異なるため混同すると誤答につながる。
正しい理解:35条=契約前の説明、37条=契約後の書面と明確に区別して覚える。
建物の貸借でも全ての法令上の制限を説明する必要があると考える
なぜ間違えるか:法令上の制限の説明は主に宅地の売買等が対象で、建物の貸借では限定的であるため。
正しい理解:「建物貸借」の場合は建物に関連する事項に限定されると覚える。
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