債権総則(保証・連帯債務など)
保証制度は、主債務者が債務を履行しない場合に保証人が代わって履行する制度です。普通保証では保証人に「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」が認められますが、連帯保証ではこれらが認められません。連帯債務は、複数の債務者が同一内容の給付について各自が独立して全額を負担する制度で、絶対的効力と相対的効力が区別されます。
民法第442条(保証人の求償権)民法第452条(催告の抗弁権)民法第453条(検索の抗弁権)
重要度: 重要
要点
1.個人であるAが、①賃貸人Bと賃借人Cとの間の期間を2年とする居住用甲建物の賃貸借契約に基づくCの一切の債務の連帯保証契約をBと締結した場合、②売主Dと買主Eとの間の居住用乙建物の売買契約に基づく代金支払債務の保証契約をDと締結した場合、に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。令和7年試験 問22.連帯債務者の一人について生じた次の事由のうち、民法の規定によれば、他の連帯債務者に対して効力が生じないものとして正しいものはどれか。令和7年試験 問93.履行遅滞に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。令和6年試験 問54.承諾に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。令和6年試験 問95.AがBに対して貸金債権である甲債権を、BがAに対して貸金債権である乙債権をそれぞれ有している場合において、民法の規定及び判例によれば、次のアからエまでの記述のうち、Aが一方的な意思表示により甲債権と乙債権とを対当額にて相殺できないものを全て掲げたものは、次の1から4のうちどれか。なお、いずれの債権も相殺を禁止し又は制限する旨の
体系における位置づけ
民法「債権総則」は、債権の発生、変更、消滅、効力など債権共通のルールを定める分野です。特に保証制度(普通保証・連帯保証)と連帯債務は、実務でも頻出であり、宅建試験の権利関係分野の中でも非常に重要な位置を占めます。債権者・債務者・保証人の三者関係を理解することが学習の鍵となります。
ルールの詳細
・普通保証人は、債権者から履行を請求された場合、まず主債務者に請求するよう催告する権利を有する(催告の抗弁権)。
・普通保証人は、主債務者に弁済の資力があり、かつ執行が容易であることを証明した場合、債権者に先に主債務者への請求を求められる(検索の抗弁権)。
・連帯保証人は、催告の抗弁権も検索の抗弁権も有せず、債権者から直ちに履行を求められても拒否できない。
・連帯債務者の一人について生じた時効の完成は、他の連帯債務者にも効力を生じる(絶対的効力)。
・連帯債務者の一人に対する免除は、他の連帯債務者に効力を生じないが、免除された者の負担部分については他の連帯債務者の利益となる(相対的効力)。
例外
・事業のために負担した保証債務については、個人保証人であっても催告・検索の抗弁権が認められない(民法452条但書)。
・主債務者が破産手続開始の決定を受けた場合、保証人は検索の抗弁権を主張できない。
・保証契約で、保証人が催告・検索の抗弁権を放棄する旨の特約をした場合、これらの権利は認められない。
比較・対照
普通保証と連帯保証の最大の違いは抗弁権の有無です。連帯債務と連帯保証は似ていますが、債務の独立性と付従性で区別します。絶対的効力と相対的効力の区別は、どの事由が他の債務者に影響するかを判断する鍵です。
記憶テクニック
・「連帯保証は連帯だから、抗弁権も連帯して消える」→連帯保証には抗弁権がない
・「時効免除絶対的、請求履行相対的」→時効の完成と免除は絶対的効力、履行請求は相対的効力
・「催告は待って、検索は探して」→催告の抗弁権は「待ってくれ」、検索の抗弁権は「主債務者を探してくれ」
事例で確認
「債権総則(保証・連帯債務など)」はこう問われる
Aは、友人Bの賃貸借契約の連帯保証人となった。Bが家賃を滞納し、貸主CがAに家賃の支払いを請求してきた。Aは「まずBに請求してくれ」と主張した。 Aの主張は認められるか?
結論:Aの主張は認められない。連帯保証人は抗弁権を有しない。
本件は居住用建物の賃貸借契約の連帯保証である。連帯保証人は催告の抗弁権も検索の抗弁権も有しない(民法454条)。したがって、AはCから直ちに履行を求められても、これを拒否することはできない。Aの主張は認められない。
押さえる:連帯保証人は強い責任を負うため、保証契約の内容を十分理解することが重要です。
A、B、Cは連帯債務者としてDに対して300万円の連帯債務を負っている。Aに対してDが免除をした。BとCの責任はどうなるか。 BとCはDに対してどれだけの債務を負うか?
結論:BとCは、Aの負担部分を除いた200万円について連帯責任を負う。
連帯債務者の一人に対する免除は、他の連帯債務者に対して効力を生じない(民法439条本文)。ただし、免除された者の負担部分については、他の連帯債務者の利益となる。Aの負担部分が100万円とすると、BとCは残りの200万円について連帯して責任を負う。
押さえる:免除は相対的効力だが、免除された者の負担部分は他の債務者の利益となる点に注意。
試験での狙われ方
出題傾向と対策
| 出題頻度 | 数年に 1 回 |
|---|---|
| 出題実績 | 過去 37 年で 5 回・5 年分・最新 2021 年 |
| 解き方のコツ | 絶対的効力が及ぶ事由(時効の完成、免除等)と相対的効力の事由を正確に区別して暗記すること。また、普通保証と連帯保証の違いを表で整理して理解すること。 |
よく問われるパターン
- 普通保証と連帯保証の抗弁権の違いを問う問題
- 連帯債務者の一人に生じた事由の効力(絶対的効力・相対的効力)を問う問題
- 保証人の求償権の要件・制限を問う問題
- 履行遅滞と保証責任の関係を問う問題
- 相殺と保証・連帯債務の関係を問う問題
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Q1No.1
解答: 正解: 3。本件売買契約につき、取消しがなされないままAが成年に達した場合、本件売買契約についてBが反対していたとしても、自らが取消権を有すると知ったAは、本件売買契約を追認することができ、追認後は本件売買契約を
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よくある質問
債権総則(保証・連帯債務など)について
宅建の「債権総則(保証・連帯債務など)」とは何ですか?
保証制度は、主債務者が債務を履行しない場合に保証人が代わって履行する制度です。普通保証では保証人に「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」が認められますが、連帯保証ではこれらが認められません。連帯債務は、複数の債務者が同一内容の給付について各自が独立して全額を負担する制度で、絶対的効力と相対的効力が区別されます。
「債権総則(保証・連帯債務など)」は宅建でよく出ますか?
本試験では過去 37 年間で 5 回、5 年分で出題されています。出題傾向は「数年に 1 回」です。
普通保証人は、債権者から履行を請求された場合、必ず催告の抗弁権を主張できる。
誤り。事業のために負担した保証債務や、保証契約で抗弁権を放棄した場合は主張できない。
連帯保証人は、催告の抗弁権も検索の抗弁権も有しない。
正解。連帯保証人は、民法454条により、これらの抗弁権を有しない。
連帯債務者の一人について時効が完成した場合、他の連帯債務者にも効力が及ぶ。
正解。時効の完成は絶対的効力を有し、他の連帯債務者にも効力が生じる(民法437条)。
「債権総則(保証・連帯債務など)」の覚え方は?
「連帯保証は連帯だから、抗弁権も連帯して消える」→連帯保証には抗弁権がない
・「時効免除絶対的、請求履行相対的」→時効の完成と免除は絶対的効力、履行請求は相対的効力
・「催告は待って、検索は探して」→催告の抗弁権は「待ってくれ」、検索の抗弁権は「主債務者を探してくれ」
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