建物
建物とは、屋根及び壁又はこれらに代わる柱を有し、定着して土地に定着した建造物をいいます。税法上は、独立して住居、店舗、事務所等の用途に供される構造部分を単位として評価されます。不動産鑑定評価基準では、建物の積算価格と収益価格の両面から評価が行われます。建物は減価償却資産として、時間の経過により価値が減少する特性を持ちます。
民法86条(不動産の定義に関する規定)所得税法33条(資産の譲渡に関する規定)相続税法22条(財産の評価に関する規定)
重要度: 重要
要点
建物とは、屋根及び壁又はこれらに代わる柱を有し、定着して土地に定着した建造物をいいます。税法上は、独立して住居、店舗、事務所等の用途に供される構造部分を単位として評価されます。不動産鑑定評価基準では、建物の積算価格と収益価格の両面から評価が行われます。建物は減価償却資産として、時間の経過により価値が減少する特性を持ちます。
体系における位置づけ
税・その他科目は、所得税、登録免許税、不動産鑑定評価基準、日本標準産業分類など多岐にわたる分野で構成されます。宅建試験の中では専門性が高く、独立した学習が必要な科目です。5点免除対象科目であり、宅建士登録を受けるためには合格が必須となります。
ルールの詳細
・建物の定義:屋根と壁または柱を有し、土地に定着した建造物で、独立して用途に供し得るものをいいます。
・構造別分類:木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)等に区分され、耐用年数が異なります。
・減価償却:建物は時間の経過とともに価値が減少するため、税法上、定額法または定率法により減価償却を行います。
・評価方法:積算価格法(再調達原価から減価修正を行う方法)と収益価格法(収益還元法による方法)があります。
・登記:建物の保存登記、移転登記、抹消登記等があり、登記識別情報の発行が行われます。
・固定資産税:建物の所有者に対し、固定資産評価額に基づき課税されます。標準税率は1.4%です。
・譲渡所得:建物の譲渡による所得は、土地と区分して計算され、減価償却費の計算が重要となります。
例外
・仮設建物:仮設的な構造で、恒久的な定着を目的としない建物は、不動産としての建物に該当しない場合があります。
・未完成建物:建築中の建物であっても、独立して取引の対象となり得る場合は建物として取り扱われます。
・区分所有建物:マンション等の区分所有建物では、専有部分と共用部分の評価が区分されます。
比較・対照
建物は不動産として登記制度の対象となり、動産とは明確に区別されます。構造により耐用年数が異なり、税務上の取扱いに大きな影響を与えます。
記憶テクニック
・「木鉄RC、22-47」:木造22年、RC造47年の耐用年数を語呂合わせで覚える
・「屋根壁柱で建物成立」:建物の定義(屋根・壁・柱)をセットで記憶
事例で確認
「建物」はこう問われる
Aは木造2階建ての貸家を所有しており、築30年が経過しています。固定資産税の評価額は大幅に低下していますが、実際の賃料収入は安定しています。相続が発生した場合、この建物の評価はどうなるか。 相続税評価において、この建物はどのように評価されるか?
結論:固定資産評価額を基準として評価されますが、実勢価格との乖離が生じる可能性があります。
相続税法上、建物の評価は固定資産税の評価額を基準とします。築30年の木造建物は法定耐用年数(22年)を超過しているため、評価額は著しく低下している可能性があります。ただし、賃貸用建物として収益を生んでいる場合、収益還元法による評価も考慮される場合があります。
押さえる:税務評価と実勢価格の差異を理解し、相続対策において評価額の把握が重要です。
Bは事業用ビルを譲渡し、譲渡所得の計算を行っています。このビルは20年前に新築で取得し、減価償却を行ってきました。譲渡価格は取得価額を下回っています。 この場合の譲渡損失はどのように取り扱われるか?
結論:譲渡損失として、一定の条件下で損益通算や繰越控除が可能です。
建物の譲渡所得は、譲渡価額から取得価額と譲渡費用を控除して計算します。減価償却累積額は取得価額から控除する必要があります。譲渡価額が調整取得価額を下回る場合は譲渡損失が生じます。事業用資産の譲渡損失については、損益通算や繰越控除の制度があります。
押さえる:減価償却の累積額が取得価額に与える影響と、譲渡損失の取扱いを理解することが重要です。
試験での狙われ方
出題傾向と対策
| 出題頻度 | 毎年複数回出題 |
|---|---|
| 出題実績 | 過去 37 年で 33 回・31 年分・最新 2025 年 |
| 重要度 | B:重要 - 5点免除科目として必須の得点源です。 |
| 解き方のコツ | 基本用語の定義を確実に押さえ、過去問演習を通じて出題パターンに慣れることが重要です。深入りせず、基本的な知識で確実に得点することを心がけてください。 |
よく問われるパターン
- 建物の構造と材料に関する知識を問う問題:鋼材の性質、コンクリートの強度等の基礎知識
- 建物の賃貸借に関する民法の規定:修繕義務、賃料、契約解除等
- 建物の税務上の取扱い:減価償却、譲渡所得、固定資産税
- 建物の評価方法:積算価格法、収益還元法の基礎概念
関連過去問
この論点が問われた本試験
本試験 37 年分から、「建物」に関連する過去問をピックアップしました。
理解度チェック
この論点を、確かめる
解説の理解を確認する自己テスト。詳しい解説はアプリで。
Q1【2025年 問50】建物の構造と材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
解答: 正解:1
鋼材の素材の鋼は、鉄や炭素などの成分を含んでおり、炭素量が多いものほど軟質で強度が小さい。
【解説】解説 したがって不適切な記述は[1]です。
Q2【2025年 問7】Aは自己の所有する甲建物を事務所としてBに賃貸し(以下この問において「本件契約」という。)、その後、本件契約の期間中に甲建物の屋根に雨漏りが生じたため、CがBから甲建物の屋根の修理を請け負い、Cによる修理が完了した。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
解答: 正解:1
BがCに修理代金を支払わないまま無資力となり、賃料を滞納して本件契約が解除されたことにより甲建物はAに明け渡された。この場合、CはAに対して、事務管理に基づいて修理費用相当額の支払を求めることはできな...
【解説】解説 したがって正しい記述は[1]です。
よくある質問
建物について
宅建の「建物」とは何ですか?
建物とは、屋根及び壁又はこれらに代わる柱を有し、定着して土地に定着した建造物をいいます。税法上は、独立して住居、店舗、事務所等の用途に供される構造部分を単位として評価されます。不動産鑑定評価基準では、建物の積算価格と収益価格の両面から評価が行われます。建物は減価償却資産として、時間の経過により価値が減少する特性を持ちます。
「建物」は宅建でよく出ますか?
本試験では過去 37 年間で 33 回、31 年分で出題されています。出題傾向は「毎年複数回出題」です。
建物とは、屋根及び壁又はこれらに代わる柱を有し、土地に定着した建造物をいう。
○ 正解です。民法86条に基づく建物の定義であり、屋根・壁・柱のいずれかを有し、土地に定着していることが要件です。
木造住宅の法定耐用年数は47年である。
× 不正解です。木造住宅の法定耐用年数は22年です。RC造住宅の耐用年数が47年です。混同しないよう注意してください。
建物は減価償却資産であり、時間の経過により価値が減少する特性を持つ。
○ 正解です。建物は土地と異なり、時間の経過とともに物理的・機能的に劣化するため、減価償却の対象となります。
「建物」の覚え方は?
「木鉄RC、22-47」:木造22年、RC造47年の耐用年数を語呂合わせで覚える
・「屋根壁柱で建物成立」:建物の定義(屋根・壁・柱)をセットで記憶
次の一歩
この論点を、定着させる
さあ、はじめよう
建物を、アプリで演習する