宅建コーチ
権利関係2〜3 年に 1 回過去 37 年で 9 回出題

債権譲渡

債権は原則として自由に譲渡できる(民法466条)。ただし、譲渡の事実を債務者に主張(対抗)するには「通知」または「承諾」が必要(467条)。さらに第三者(他の譲受人など)に対抗するには「確定日付のある証書」による通知・承諾が必須となる。譲渡制限特約があっても譲渡自体は有効とする改正法の趣旨が重要である。

民法466条(債権の譲渡性)民法467条(債権譲渡の対抗要件)民法466条の4(譲渡制限の特約がある債権の譲渡等)

重要度: 重要

要点
債権は原則として自由に譲渡できる(民法466条)。ただし、譲渡の事実を債務者に主張(対抗)するには「通知」または「承諾」が必要(467条)。さらに第三者(他の譲受人など)に対抗するには「確定日付のある証書」による通知・承諾が必須となる。譲渡制限特約があっても譲渡自体は有効とする改正法の趣旨が重要である。
体系における位置づけ
民法「債権総論」に位置づけられ、債権の移転に関するルールを学ぶ分野である。譲渡の自由原則、対抗要件(債務者・第三者)、譲渡制限特約の効力が核心。2020年改正民法で「譲渡制限特約」のルールが大幅に変更され、実務的にも理論的にも重要性が増している。
ルールの詳細
債権の譲渡性:債権は、その性質が譲渡を許さないもの(身分的権利など)や、当事者間の特約で譲渡禁止とされたものを除き、自由に譲渡できる。 ・対抗要件(債務者):譲渡人は債務者に通知するか、債務者が承諾をしなければ、債務者に対して譲渡の効力を主張できない。 ・対抗要件(第三者):第三者に対抗するには、通知または承諾が「確定日付のある証書」によってなされる必要がある。 ・譲渡制限特約の効力:当事者間で譲渡を禁止・制限する特約をしても、債権譲渡の効力は妨げられない(改正民法)。 ・債務者の保護:譲渡制限特約がある場合、譲受人がその特約の存在を知り(悪意)、又は重大な過失により知らなかったときは、債務者は譲渡人への弁済で免責される。 ・将来債権の譲渡:将来発生すべき債権も、譲渡の時にその債権が特定され、かつ譲受人がその債権を識別できる場合には譲渡できる。
例外
性質上譲渡できない債権:雇用契約に基づく賃金債権の一部や、身元保証債権など、債権の性質上譲渡が認められないものは譲渡できない。 ・特別法による制限:公的年金受給権や生活保護受給権など、特別法で譲渡が禁止されている債権は譲渡できない。 ・証書発行不要の特則:指名債権であっても、証書を発行していない場合、確定日付のある証書による通知は不要とする判例法理がある(ただし試験では原則論が優先)。
比較・対照
債権譲渡は「権利者の変更」であり、債務者の意思よりは取引の安全が優先される。対抗要件の有無(確定日付)が第三者との優劣を決する鍵となる。
記憶テクニック
「債権譲渡は自由自在、でも債務者には通知・承諾、第三者には確定日付」 ・「譲渡制限特約は壁じゃない(有効)、でも悪意のCは壁にぶつかる(免責される)」
事例で確認

債権譲渡」はこう問われる

AはBに対する売掛金債権をCに譲渡した。AはBに通知したが、確定日付のある証書ではなかった。その後、Aが同じ債権をDに二重譲渡し、Dは確定日付のある証書でBに通知した。 CとDのどちらが優先するか。
結論:Dが優先する。
民法467条1項により、第三者(D)に対抗するには確定日付のある証書による通知または承諾が必要。Cの通知には確定日付がないため、Dに対抗できない。Dは確定日付のある通知をしているため、Cに優先して債権を取得する。
押さえる:第三者間の優劣は「確定日付のある証書」の有無で決まる。債務者への通知だけでは不十分である。
AはBとの間の継続的売買契約に基づき、将来発生する売掛金債権をCに包括的に譲渡した。譲渡時点では具体的な売掛金は発生していない。 この将来債権の譲渡は有効か。
結論:特定可能性があれば有効である。
改正民法466条の6第1項により、将来発生すべき債権であっても、譲渡の時にその債権が特定され、かつ譲受人がその債権を識別することができる場合には、譲渡することができる。包括的譲渡も特定可能性があれば有効。
押さえる:将来債権も「識別可能性」があれば譲渡可能。ファクタリング実務の基礎となる。
試験での狙われ方

出題傾向と対策

出題頻度2〜3 年に 1 回
出題実績過去 37 年で 9 回・9 年分・最新 2021 年
重要度A:最重要。改正民法の影響で出題頻度・難易度ともに高い。
解き方のコツ民法467条の「確定日付」要件と、466条の5の「悪意・重過失」要件を正確に覚える。特約違反の譲渡が「無効ではなく有効」である点を押さえる。
よく問われるパターン
  • 対抗要件の欠缺:確定日付のない通知では第三者に対抗できないことを問う問題。
  • 二重譲渡の優劣:先に確定日付のある通知をした者が優先する原則。
  • 譲渡制限特約の効力:特約違反の譲渡が有効であることと、債務者の保護(免責)の可否。
  • 将来債権の譲渡可能性:発生していない債権でも識別可能なら譲渡できるか。
理解度チェック

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Q1【2021年 問206】売買代金債権(以下この問において「債権」という。)の譲渡に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
解答: 正解:2 債権が譲渡された場合、その意思表示の時に債権が現に発生していないときは、譲受人は、その後に発生した債権を取得できない。 【解説】解説 したがって誤っている記述は[2]です。
Q2【2018年 問7】債権譲渡に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
解答: 正解:2 債権の譲受人が譲渡制限の意思表示の存在を知っていれば、さらにその債権を譲り受けた転得者がその意思表示の存在を知らなかったことにつき重大な過失がなかったとしても、債務者はその転得者に対して、その債務の履... 【解説】解説 したがって誤っている記述は[2]です。
よくある質問

債権譲渡について

宅建の「債権譲渡」とは何ですか?
債権は原則として自由に譲渡できる(民法466条)。ただし、譲渡の事実を債務者に主張(対抗)するには「通知」または「承諾」が必要(467条)。さらに第三者(他の譲受人など)に対抗するには「確定日付のある証書」による通知・承諾が必須となる。譲渡制限特約があっても譲渡自体は有効とする改正法の趣旨が重要である。
「債権譲渡」は宅建でよく出ますか?
本試験では過去 37 年間で 9 回、9 年分で出題されています。出題傾向は「2〜3 年に 1 回」です。
債権譲渡において、債務者の承諾があれば、確定日付のある証書は不要である。
○。債務者の承諾があれば、確定日付のある証書がなくても債務者に対抗できる。ただし、第三者に対抗するには確定日付が必要。
当事者間で「譲渡禁止」の特約がされている場合、その特約に反する債権譲渡は無効である。
×。改正民法上、譲渡制限の特約があっても債権譲渡の効力は妨げられない(有効)。ただし、債務者は一定の場合に旧債権者への弁済で免責される。
債権の譲受人が譲渡制限特約の存在を知っていた場合、債務者は譲受人に対して弁済を拒絶できる。
×。債務者は譲受人に対抗して、譲渡人(旧債権者)への弁済をもって免責されるにすぎず、弁済を拒絶できるわけではない。
「債権譲渡」の覚え方は?
「債権譲渡は自由自在、でも債務者には通知・承諾、第三者には確定日付」 ・「譲渡制限特約は壁じゃない(有効)、でも悪意のCは壁にぶつかる(免責される)」
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